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2024年1月29日

エステサロンに必要な開業準備とは?資金や資格、手続きについて解説

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店舗開業

エステサロンの従業員として働くエステティシャンのなかには、「いつか独立して自分の店舗を持ちたい」と考える人もいるでしょう。しかし、いざ開業するとなると、どのような準備をしたらいいのかわからないというケースも少なくありません。 ここでは、エステサロンを開業するために取得しておきたい資格や、必要な準備と手続き、開業資金について解説します。また、エステサロンを開業して成功させるためのポイントについても併せてご紹介します。

エステサロンは開業届を提出すれば開業できる

エステサロンの開業には、特別な資格や免許は必要なく、エステティシャンとしての経験年数も問われません。管轄の税務署に「開業届」を提出するだけで開業をすることができます。エステサロンの目的は美や健康の増進といったものですが、その手段にはさまざまな種類があります。顔から首、鎖骨あたりまでを施術対象としたフェイシャルエステサロン、顔を含む全身が対象のボディエステサロン、ムダ毛の処理を行う脱毛サロン、心身のリラックスを目的としたリラクゼーションサロン、結婚式を控えた女性を対象としたブライダルエステ、男性を対象としたメンズエステなどです。開業にあたり、自分が目指す方向性を確認しておくといいでしょう。

エステサロンを開業するメリット

エステサロンを開業することには、さまざまなメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しくご紹介します。

開業のハードルが低い

エステサロンの開業は、ほかの業種に比べてハードルが低いといえます。同じ美容業界でも美容院や理容室を開業するためには、それぞれの免許を取得し、管轄の保健所へ開設届を提出する必要があります。
対して、エステサロンの開業には特別な資格や免許の必要がないため、短期間で開業できることがメリットです。ただし、多くの人が開業をしやすいということは、それだけ新規参入も多く、競争が激しい業界といえます。

初期費用を抑えられる

エステサロンの開業には比較的、初期費用が抑えられるというメリットがあります。美容院や理容室、カフェなどの飲食業を開業する際には、専用の施設や設備が必要になるため、物件取得や工事に多額の資金が必要です。
それに対してエステサロンは、施術内容によっては大掛かりな設備を必要としないこともあり、個人サロンとして自宅の一部を改装して開業もできます。初期費用を大幅に削減できれば、開業後に借入れなどの返済に悩まされることもありません。

理想の環境で働ける

エステサロンのコンセプトや経営方針は基本的にオーナーが決定し、従業員はそれに従わなければいけません。
しかし、エステサロンを自分で開業すれば、コンセプトや経営方針、内装から、営業スタイル、営業時間に至るまで、すべて自分で決めることができ、理想とする働く環境を整えられます。もちろん、リスクは付き物ですが、自分が理想とするエステサロンの在り方や働き方を実現できるでしょう。

収入アップの可能性がある

収入アップの可能性があることも、エステサロン開業のメリットといえます。エステサロンの従業員として働く場合は完全固定給か、固定給に指名料や売上などが一定割合で上乗せされる一部歩合制であることが多くあります。自分で開業すれば、集客など努力をした分だけ自分の利益になるため、成果次第で収入アップも期待できるでしょう。また、常に固定客がいるなど一定の成果を出した後は、従業員を雇い、オーナーとして店舗運営をして収益を得ることも可能です。

エステサロン開業までの流れと必要な準備

エステサロンを開業するまでの流れは下記のとおりです。具体的にどのような準備や手続きが必要か解説します。

1. コンセプトの設計・事業計画書の作成

エステサロンを開業するにあたり最初に考えたいのが、店舗のコンセプトです。どのような層のお客さまをターゲットにするのか、どのような雰囲気でどのような施術メニューを提供するのかなど、理想のエステサロンを可能な限り明確にイメージすることが大切です。コンセプトを考える際は、ビジネスでよく使用される「5W2H」をつかうのもいいでしょう。

5W2Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰に)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How much(いくらで)」「How(どのように)」の頭文字を取ったものです。
たとえば、エステサロンのコンセプトの設計は、次のようなものになります。

<エステサロンのコンセプト設計例>

  • When(いつ):11~21時
  • Where(どこで):◯◯駅周辺のオフィス街のビル
  • Who(誰に):20代後半~40代の自分磨きをしたい女性
  • What(何を):一人ひとりの体の悩みに合わせたオールハンド施術
  • Why(なぜ):働く女性の体のめぐりを整え、内側から美しく健康にしたい
  • How much(いくらで):客単価2万円程度
  • How(どのように):落ち着いた個室空間で完全予約制

アイディアを出してイメージを具体化したら、エステサロンのテーマやキャッチコピーを考えておくことをおすすめします。

もうひとつ大切なのは、事業計画書を作成することです。事業計画書は、金融機関などから開業資金の融資を受ける際に必要な書類で、開業動機、事業目的、コンセプト、店舗情報、価格設定、資金計画、事業計画、想定売上や経費など、経営に関わるプランを具体的に記載します。

また、事業計画書の作成は、自分が思い描くエステサロンについて、金銭的な面から客観的に見つめ直すいい機会となります。思い描くときはワクワクしながら計画を立てるため、身の丈に合わない計画を作ってしまうことも少なくありません。ですので、融資の有無にかかわらず、初期投資額や将来の収支を数値として想定するために作成してみるといいでしょう。
事業計画書は、日本政策金融公庫のホームページ「各書式ダウンロード」に、「創業計画書」としてテンプレートがありますので参考にしてみてください。

日本政策金融公庫「創業計画書」については、下記のテンプレートをご覧ください。
創業計画書

2. 開業形態の決定・物件選び

エステサロンの開業形態を決め、必要に応じて物件を探す必要があります。エステサロンの開業形態は大きく3つに分かれます。それぞれのメリット・デメリットを知って検討しましょう。


・貸店舗を借りる
貸店舗を借りてエステサロンを開業する場合は、顧客ターゲットにマッチした、集客力のある立地を選べることがメリットです。自宅で開業する場合だと、個人情報として住所の公開が気になることもありますが、貸店舗の場合は大々的な宣伝告知ができ、内装工事やディスプレイなどにもこだわることができます。
一方で、物件取得費などの初期費用や、賃貸料などのランニングコストは高くなるため、経営的に安定感を持ち、利益が出せるかをよく検討する必要があります。
物件を探す際は、その地域の特徴について自分の足でリサーチし、競合店の有無も確認した上で、コンセプトや予算に見合った物件を選ぶことが大切です。

・商業利用ができる賃貸マンションを借りる
商業利用ができる賃貸マンションを借りてエステサロンを開業する方法もあります。事務所や店舗につかえるマンションは、貸店舗に比べて初期費用を抑えることが可能です。ただし、マンションには大きな看板などを掲出するのが難しいため、集客に工夫が必要です。
物件を探す際は、貸店舗を借りるときと同様に、実際に自分の目でエリアの特性を確認し、競合店の状況も把握した上で選びましょう。

・自宅で開業する
自宅の一部を利用してエステサロンを開業する場合は、大幅なコストダウンができます。一方、デメリットとしては、集客に向かない立地の場合も多い、自宅の住所を公開する必要がある、仕事とプライベートが分けにくいなどが挙げられます。また、自宅として開業場所が決まっている場合は、その地域に合わせた顧客ターゲットを考える必要があるでしょう。
なお、集合住宅の場合は、事前に店舗としての使用が可能かどうかを管理会社に確認するのをお忘れなく。

3. 資金調達

一般的に開業資金はどのくらい必要なのでしょうか。日本政策金融公庫の「2022年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均値は1,077万円、中央値は550万円となっています(うち個人企業60.5%、法人企業39.5%)。
エステサロンを開業する場合、主な初期費用には「物件取得費」「内装工事費」「備品購入費」「広告宣伝費」があります。相場として、自宅で開業するエステサロンなら内装工事費、備品購入費、広告宣伝費で30万円~、賃貸マンションを借りて開業する場合は、物件取得費を入れて150万~200万円程度、貸店舗を借りて開業する場合は300万~600万円程度が目安です。

開業の初期費用が自己資金でまかなえない場合は、資金調達の検討が必要です。個人でエステサロンを開業する場合の資金調達方法は、地方銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などからの融資があります。日本政策金融公庫は、国が100%出資している政府系金融機関です。審査は厳しい傾向がありますが、ほかの金融機関よりも有利に融資を受けることができます。融資を受けるには、金融機関に対して十分な返済能力があることを示す必要があるため、事業計画書をしっかりと作成することが大切です。
また、国や地方自治体が、個人事業主の開業に対して資金面でサポートする助成金制度もあるので、開業予定の自治体の助成金制度を調べてみることをおすすめします。

なお、開業準備としては、物件探しと資金調達は同時進行で行い、先に物件を仮押さえしているのが理想的です。物件を貸し出す管理者は契約者の資金繰りが気になりますし、資金を融資する金融機関としても、家賃や出店エリアが未定のまま融資をするのは難しいからです。

4. 内装工事

物件を決めたら内装工事を進めます。店舗の広さやレイアウト、エステサロンのコンセプトなどを考慮してデザインを決めます。内装が取り除かれたスケルトン物件でゼロから工事をする場合は、それだけ費用がかかります。
内装工事費を抑えるには、居抜き物件やエステサロンのコンセプトに合った内装の物件を探すといいでしょう。

5. 設備・備品購入

内装が完成した後は、エステサロンで使用する備品や消耗品を準備する必要があります。たとえば、エステ用ベッド、エステ用機器、化粧品やオイル、棚やワゴン、ロッカー、パソコン・冷暖房などの家電、タオル、シーツ、お客さま用ローブ、レジなどがあります。なかでも、エステ用機器を導入する場合、購入すれば数十万~数百万円と大きな価格差がありますので、初期費用を抑えたい場合は、開業当初はレンタル機器で様子を見るのも一案です。
小さな出費であっても数が多ければ費用はかさみます。事前に商品情報を収集し、比較検討して選ぶことをおすすめします。

6. キャッシュレス決済の導入

現在はキャッシュレス決済が浸透しており、クレジットカードやQRコード(バーコード)決済に対応する店舗を選ぶお客さまも増えています。顧客満足度や会計業務効率化のためにも、ターゲット層に合わせて、キャッシュレス決済の導入を検討するといいでしょう。

エステサロンのクレジットカード決済導入については、下記の記事をご覧ください。

エステサロンでカード決済導入は必要?キャッシュレス決済のメリットと注意点

  • キャッシュレス
  • 経営ノウハウ
  • 個人事業主

7. 広告宣伝

エステサロン開業時の広告宣伝は、集客の重要ポイントです。特に今はインターネットでエステサロンを検索する人が多いため、ターゲット層を意識したWebサイトは必要不可欠といえるでしょう。Webサイトの作成に自信がない人は、プロの業者に依頼し、見る人に信頼感を持ってもらえるページを作成することをおすすめします。
また、検索したときに店舗情報が検索結果ページに掲載されるように、口コミサイトへの登録を行えば、集客方法の幅も広げることができます。口コミサイトの登録・掲載料は、無料のものから一部有料プランがあるものまでサイトによって異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。

近隣への告知としては、チラシの作成・配布もおすすめといえます。チラシには店舗の案内や施術内容、割引券などを掲載することが一般的です。新聞の折り込み広告からエリアや住宅の種類で設定できる個別のポスティングまで料金設定もさまざまですが、大きな宣伝効果が期待できます。

8. 開業届の提出

エステサロンを開業する際は、所在地にある税務署に「開業届」と「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。開業届を出すと税務署から個人事業主として承認されます。また、青色申告を行うことで、所得金額から多くの控除を受けられたり、純損失(赤字)を3年間繰り越せたりするなど、さまざまな税制上のメリットが得られます。
なお、まつ毛パーマやまつ毛エクステンションなどの国家資格保有者を必要とする施術を行う場合や、顔の産毛のシェービングなど、首から上の施術を行う場合は、保健所にも届出が必要です。

エステサロンの開業で取得しておきたい資格

エステサロンの開業には、特別な資格は必須ではありません。しかし、エステティシャンに関連する資格があれば、一定の技術があることの証明となり、お客さまにもあんしんしてもらえるでしょう。
エステティシャンに関する代表的な民間資格には、一般社団法人日本エステティック協会(AJESTHE)が認定するものがあります。「AJESTHE認定エステティシャン」や「AJESTHE認定上級エステティシャン」のほか、さらに上位の「AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー」などがあり、開業や指導者をめざす人が受講しています。

また、同じエステサロンでも、メニューによっては資格が必要な場合があります。たとえば、まつ毛パーマやまつ毛エクステンションを行うなら美容師の国家資格、フェイシャルトリートメントで顔の産毛のシェービングを行うなら理容師の国家資格が必要です。
エステサロンを開業する際に、こうした資格を持っていれば、競合店との差別化にもつながるといえます。

エステサロンを開業して成功させるためのポイント

開業ハードルの低いエステサロンは、競争が激しい業界です。そのため、開業場所の選択が成功のポイントといえます。近隣に自店に似た競合店がないか、事前にしっかりとリサーチし、適切な場所を選定することが大切です。

また、エステサロンを開業する際は、施術者としてだけではなく、経営者としての視点を持つことも求められます。たとえば、コンセプトを設計し、顧客ターゲットに対して自分の強みを明確にしたサービスを訴求していくこと、マーケティングの知識を身に付け、広告宣伝にも力を入れることなどです。

特に、競争が激しい業界の場合、新規顧客獲得が一番の課題となることが少なくありません。お客さまとの関係構築だけではなく、幅広いネットワークを持ち、地域との関係性も大切にしましょう。個人事業者の勉強会や、地域の交流会に参加することもおすすめです。コツコツとした活動でリピーターを獲得できれば、継続的な安定した収益につながります。

エステサロンの開業時には、キャッシュレス決済の導入もお忘れなく

エステサロンの開業には、特別な資格や免許は不要で、競争が激しい業界です。そのため、他店との差別化や顧客満足度も、エステサロンを成功させる大切な要素となります。そこで開業にあたって検討したいのが、支払い方法です。キャッシュレス化が進む現在においては、顧客層やニーズに合ったキャッシュレス決済方法を導入することをおすすめします。

エステサロンにキャッシュレス決済を導入するなら、ドコモの「d払い」がおすすめです。d払いとは、スマートフォンのアプリをつかって行うキャッシュレス決済です。d払いなら、9,000万人を超えるdポイントクラブ会員に店舗の存在をアピールでき、集客・売上アップを見込めるでしょう。

また、ドコモでは、d払い加盟店で利用できる「スーパー販促プログラム」を提供しています。「スーパー販促プログラム」をつかえば、お客さまに加盟店からのメッセージやキャンペーン情報を配信でき、集客や利用単価アップといった施策ができるようになります。
エステサロンの開業にあたり、キャッシュレス決済を新たに導入する際は、ぜひドコモのd払いをご検討ください。

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よくあるご質問

  • エステサロンを開業するにはいくら必要ですか?

    日本政策金融公庫の「2022年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均値は1,077万円、中央値は550万円となっています。相場として、自宅で開業するエステサロンなら30万円~、賃貸マンションを借りて開業する場合は、150万~200万円程度、貸店舗を借りて開業する場合は300万~600万円程度が目安です。

  • エステサロンを開業するのに必要な資格は?

    エステサロンの開業には、特別な資格は必須ではありません。しかし、エステティシャンに関連する資格があれば、一定の技術があることの証明となり、お客さまにもあんしんしてもらえるでしょう。エステティシャンに関する代表的な民間資格には、一般社団法人日本エステティック協会(AJESTHE)が認定するものがあります。

  • エステサロンを開業するまでの流れは?

    開業までの流れは大きく8ステップあります。
    1. コンセプトの設計・事業計画書の作成
    2. 開業形態の決定・物件選び
    3. 資金調達
    4. 内装工事
    5. 設備・備品購入
    6. キャッシュレス決済の導入
    7. 広告宣伝
    8. 開業届の提出

監修者プロフィール

坪谷亮さん

坪谷 亮

FPサテライト株式会社 取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 日本FP協会 CFP®認定者
大学時代にFPについて知り、22歳のときにCFP®を取得。
FPや金融業界の現状を知り、お客さまとの利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社に入社。個人、法人両方のコンサルティングを、中立的な視点からサポートしている。

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