ペアレンタルコントロールとは保護者が制限・管理する機能のこと
ペアレンタルコントロール(Parental Control)とは、子どもがインターネットやデバイスを安全に利用できるよう、保護者が使用を制限・管理できる機能のことです。略して「ペアコン」と呼ばれることもあります。
スマホやパソコン、ゲーム機に類似する機能が搭載されている場合も少なくありません。不適切なコンテンツの閲覧防止や制限、使用時間の管理などに活用されている機能です。
キャリアによっては「見まもり機能」や「あんしんフィルター」などの名称で類似のサービスが提供されていることもあります。フィルタリングサービスに関しては以下の記事でも紹介しています。併せてご覧ください。
「子どものインターネット利用を制限する方法は?おすすめフィルタリングサービスも紹介」
ペアレンタルコントロールの活用が重要な理由
インターネットには不適切なコンテンツや詐欺や犯罪など、トラブルに巻き込まれる危険性があります。スマホを利用する際の心配事には、学習・成績や身体・健康への影響のほか、インターネットでのいじめ被害などが挙げられることも少なくありません。
ペアレンタルコントロールは、子どもを危険から守るための機能のひとつです。総務省では、ペアレンタルコントロールに関心がない保護者や低年齢層の子どもをもつ保護者に、必要性を効果的に啓発するための方法も模索しています。
スマホをはじめとするインターネットにつながる機器は危険性がある反面、コミュニケーションツールのひとつとして切り離せない存在となっていることにも触れています。総務省によると、約7割の保護者は何らかの形でペアレンタルコントロールを行っているとの調査結果も出ています。
また、18歳未満が使用するデバイスへのフィルタリング設定は法律上の義務です。格安スマホ事業者(MVNO)を含む携帯電話会社と販売代理店では、以下の義務が課せられています。
項目 | 概要 |
---|---|
青少年確認 | 契約締結者またはデバイスの使用者が18歳未満かどうか確認する |
フィルタリングの説明 | 青少年に有害な情報の閲覧による危険やフィルタリングの必要性と内容を保護者または青少年に説明する |
フィルタリング有効化措置 | 通信契約とセットで販売されるデバイスなどに関して、販売時にフィルタリングソフトウェアやOSの設定を行う |
出典: 総務省「知っていますか?「ペアレンタルコントロール」」
子どもにスマホを持たせるのであれば、ペアレンタルコントロールに関する知識を身につけ、必要に応じて活用することが大切です。
ペアレンタルコントロールで利用できる主な機能
ペアレンタルコントロールで利用できる機能はサービスやデバイスによって異なります。一般的なペアレンタルコントロールで利用できる主な機能は以下のとおりです。
- 利用時間の制限
- 課金の制限
- 使用を許可するアプリの制限
- 電話やメッセージの制限
- 位置情報による居場所の管理
- 不適切なコンテンツやWebサイトのブロック・アクセス制限
- IDやパスワードなどの設定変更の制限
それぞれの内容を詳しく紹介します。
利用時間の制限
利用時間を制限する機能は、子どもがスマホやタブレット、ゲーム機などを使いすぎないようにするための機能です。
特定の時間帯のみ利用可能にしたり、1日の合計使用時間を制限したりなどの設定ができます。設定した時間になると自動でロックをかける機能もあるため、有効活用することで適切な学習時間や睡眠時間の確保が可能です。
課金の制限
子どもが勝手に課金してしまうことを防ぐために、ペアレンタルコントロールではアプリ内課金やオンライン購入の制限ができます。
ゲーム内のアイテム購入やサブスクリプション契約を事前にブロックしたり、保護者の許可がないと決済できないように設定したりすることが可能です。
使用を許可するアプリの制限
デバイスでは、子どもが利用できるアプリを選択し、使用を制限することが可能です。アプリごとに使用時間を設定したり、インストール自体を制限したりできます。
子どもにとって適切なアプリのみを使用させたいときに便利です。
電話やメッセージの制限
子どもが通話やメッセージを利用する際に、相手や時間を制限する機能もあります。
特定の電話番号とのみ通話を許可できる場合や、利用制限中の時間帯でも電話には出られるようにできるなど、設定できる内容はデバイスやサービスによってさまざまです。
たとえば、ゲーム機の設定では、ボイスチャットができる対象を設定できる場合もあります。
位置情報による居場所の管理
位置情報機能では、子どもの現在地をリアルタイムで確認できます。
保護者は子どもの帰りが遅い場合や子どもが迷子になった場合に、どこにいるのかをすぐに把握できてあんしんです。事件・事故の際にも早急な対応ができます。
特定エリアへの出入りを通知する設定が可能な場合もあり、防犯対策や塾・通学時の安全確認に役立ちます。
不適切なコンテンツやWebサイトのブロック・アクセス制限
Webフィルタリング機能を利用すると、成人向けのコンテンツや暴力的なコンテンツを含むWebサイトへのアクセスを制限できます。
有害なコンテンツから子どもを守り、安全にインターネットを楽しめる環境を構築できる機能です。
IDやパスワードなどの設定変更の制限
子どもが勝手に設定を変更するのを防ぐための「設定変更制限」機能もあります。保護者が管理しているセキュリティ設定が勝手に解除・変更されることを防げます。
【スマホ・パソコン】デバイス別のペアレンタルコントロール設定方法
特定のスマホやパソコンでは、デバイス自体にペアレンタルコントロールに類似する機能が備わっています。以下のデバイスに分けて設定方法を紹介します。
- iPhone・iPadでの設定方法
- Androidでの設定方法
- Macでの設定方法
- Windowsでの設定方法
デフォルトで使用できる機能なので、参考にして試してみてください。
※ Apple、Appleのロゴ、iPhoneは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※TM and ©2025 Apple Inc. All rights reserved.
iPhone・iPadでの設定方法
iPhoneやiPadでは、「スクリーンタイム」と呼ばれるペアレンタルコントロール機能があります。利用できる機能は以下のとおりです。
- App Storeで購入できないようにする
- 標準付属のアプリや機能の使用を認める
- 不適切な表現を用いたコンテンツや特定のレートのコンテンツを阻止する
- Webコンテンツへのアクセスを制限する
- IntelligenceとSiriの使用を制限する
- Game Centerの使用を制限する
- プライバシー設定の変更を認める
- そのほかの設定や機能の変更を認める
- 健康と安全性の機能を変更する
出典:Appleサポート(日本)「お子様のiPhoneやiPadでペアレンタルコントロールを使う」
親のデバイスから子どものデバイスのペアレンタルコントロールを設定する方法は、以下のとおりです。
- 設定アプリを開く
- 「自分の名前」をタップする
- 「ファミリー共有を設定」と選択する
- ファミリー共有アカウントを設定してから子どもを追加
- 「ファミリー」で子どもの名前を選択
- 親のデバイスで「設定」から「スクリーンタイム」を開く
- 子どもの名前を選んで「コンテンツとプライバシーの制限」をタップ
- 制限したい任意の項目を設定する
出典:Appleサポート(日本)「子供用のスクリーンタイムを設定する」
親のデバイスから設定する場合はファミリー共有アカウントの設定が必要です。なお、子どものスマホを操作して、スクリーンタイムの設定もできます。
子どものデバイスで設定する場合は、設定を勝手に変更されないよう「スクリーンタイム設定をロック」の機能をONにしておきましょう。
※ Apple、Appleのロゴ、iPhoneは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※TM and ©2025 Apple Inc. All rights reserved.
Androidでの設定方法
Androidでは「ファミリーリンク」と呼ばれるペアレンタルコントロール機能があります。利用できる主な機能は以下のとおりです。
- 利用状況の確認
- 利用時間の制限
- 特定のアプリをブロックまたは制限
- コンテンツの制限の管理
- プライバシーやアカウント設定の調整
- 位置情報の確認
ファミリーリンクを使用する際には、親と子どもそれぞれのGoogleアカウントの連携が必要です。子どもが13歳未満の場合は親が子どものアカウントを作成できます。子どものアカウント作成時に親のアカウントにリンクすることで、ファミリーリンクの設定が可能になります。
子どもが13歳以上の場合は、子どものスマホを操作してファミリーリンクの設定を行ってください。手順は以下のとおりです。
- 子どものスマホで設定アプリを開く
- 「Digital Wellbeingと保護者による使用制限」をタップする
- 「保護者による使用制限を設定する」をタップする
- 「使ってみる」をタップします
- 「お子様」をタップします
- 「次へ」をタップします
- 子どものGoogleアカウントを選択するか、「お子様のアカウントの追加または作成」をタップし、画面の説明に沿って子どものアカウントを追加する
- 子どもの管理に使用する保護者のGoogleアカウントを入力して「次へ」をタップする
- 保護者のGoogleアカウントのパスワードを入力して「次へ」をタップする
- 管理機能についての説明が表示されるため、子どもと一緒に確認する
- スクロールして下部のパスワード入力欄に、子どものGoogleアカウントのパスワードを入力する
- 「同意する」をタップする
- 「管理を許可しますか」のポップアップで「許可」をタップする
出典:Android「Androidのファミリーリンクで子どものスマホを管理。時間制限や位置情報を共有する方法を紹介」
「アカウントがリンクされています」と表示されたら連携完了です。「次へ」をタップして項目を進めると、アプリの管理や購入・ダウンロードに関する設定が可能になります。なお、親はファミリーリンクのアプリやWebブラウザからも設定の変更が可能です。
Macでの設定方法
MacでもiPhoneと同じく「スクリーンタイム」の設定が可能です。iPhoneと同じく、親のデバイスから子どものデバイスの管理・監視をしたい場合は、まず「ファミリー共有」を使用しましょう。
ファミリー共有を使用しない場合、子どものデバイスを操作することでスクリーンタイムの設定ができます。ファミリー共有を使用している場合の設定方法は以下のとおりです。
- アップルメニューから「システム設定」を選択する
- サイドバーで「スクリーンタイム」を選択する
- 「ファミリーメンバー」ポップアップメニューをクリックして子どもを選択する
- 「お子様のスクリーンタイムを設定」を選択する
- 「スクリーンタイムをオンにする」から画面に表示される指示に従って設定する
出典:Appleサポート(日本)「Macで子供のスクリーンタイムを設定する」
「ファミリーメンバー」ポップアップメニューが表示されない場合は、Apple Accountにサインインしていて、ファミリー共有を使用していることを確認してください。
※ Apple、Appleのロゴ、iPhoneは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※TM and ©2025 Apple Inc. All rights reserved.
Windowsでの設定方法
Windowsには「Family Safety (ファミリー セーフティ)」と呼ばれるペアレンタルコントロール機能があります。Family Safetyでは、以下の項目に関する設定が可能です。
- Webの閲覧
- アプリ、ゲームとメディア
- 使用時間
- 購入と支払い
- お子様を探す
Family Safetyを利用するには、まず子どものアカウントを作成します。作成手順は以下のとおりです。
- 保護者のアカウントでWindowsにログインする
- 「Windows アイコン」をクリックして「設定」を選択する
- 「アカウント」から「家族とその他のユーザー」を選択する
- 「家族のメンバーを追加」を選択する
- Windows 10の場合は「お子様を追加する」を選択し、「追加するユーザーがメール アドレスを持っていません」をクリックする
- Windows 11の場合は「メールアドレスを入力してください」の部分に入力する
- アカウントを持っていない場合は「子に対して1つ作成する」をクリックして新規作成する
- メール アドレスを入力して「次へ」をクリックする
- パスワードを作成する
- 氏名や国、地域など画面に従って入力する
上記の手順で子どものアカウントの作成が完了します。続いて、以下の手順でFamily Safetyの各種設定を行います。
- 保護者のアカウントでWindowsにログインする
- 「Windows アイコン」をクリックして「設定」を選択する
- 「アカウント」から「オンラインで家族の設定を管理」を選択する
- 各種設定を行う
出典:Microsoft atLife「WindowsでFamily Safetyを設定する方法」
アプリやゲームの制限や、使用時間の設定ができます。子どものアカウントに入金し、一定額の範囲であれば、コンテンツを購入して楽しめるなど、柔軟な使い方も可能です。
ペアレンタルコントロールはキャリアのオプションサービスでも利用可能
デバイス側ではなく、通信事業者(キャリア)が提供しているペアレンタルコントロール機能もあります。たとえば、「ドコモ」では「あんしんフィルター for docomo」にてペアレンタルコントロールがご利用いただけます。
お子さまの学齢(小学生/中学生/高校生/高校生プラス)を選択するだけで、学齢にあったおすすめ制限レベルが自動で設定される便利なサービスです。カスタマイズ設定には保護者アカウントの登録が必要ですが、月額使用料やお申込みの必要はありません。
ドコモをご利用の方はぜひご活用ください。
ペアレンタルコントロール設定時のポイント
ペアレンタルコントロール設定時は以下のポイントも押さえておきましょう。
- デバイスやサービスごとの設定方法を理解する
- 制限するだけではなくスマホ・パソコン利用時のルールを子どもと共有する
- ネットに関する教育を並行して行う
それぞれ詳しく紹介します。
デバイスやサービスごとの設定方法を理解する
ペアレンタルコントロールを適切に活用するには、デバイスやサービスごとに異なる設定方法を理解することが重要です。デバイスや各キャリアのフィルタリングサービスは、機能や制限の範囲が異なります。
それぞれの設定方法を確認し、適切なレベルの制限をかけたり、子どもの年齢・成長に応じて適切に調整したりすることが大切です。
制限するだけではなくスマホ・パソコン利用時のルールを子どもと共有する
単に制限をかけるだけでなく、子どもとルールを設定する理由を説明することも大切です。「なぜ制限が必要なのか」がわからないと、制限を回避しようとしたり、不満を抱いたりするかもしれません。
ルールを事前に話し合い、子どもと相談しながら、お互いが納得した上でペアレンタルコントロールを設定しましょう。
インターネットに関する教育を並行して行う
ペアレンタルコントロールは子どもを危険から守る際に有効です。ただし、ペアレンタルコントロールに頼るだけでなく、子ども自身がインターネットのリスクを理解し、安全に利用する力を身につけることも重要です。
そのため、インターネットリテラシーに関しても並行して教育しましょう。教育を行うことで、将来的にペアレンタルコントロールの制限を解除しても、安全にインターネットを活用できる力を身につけられます。
子どもが安全に使用できるスマホを探しているなら「ahamo」がおすすめ
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※1 機種代金が別途かかります。
※2 5分超過後は、22円/30秒の通話料がかかります。「SMS」、他社接続サービスなどへの発信は、別途料金がかかります。
ペアレンタルコントロールはデバイスの機能やキャリアのサービスを活用しよう
ペアレンタルコントロールとは、子どもがインターネットやデバイスを安全に利用できるよう、保護者が使用を制限・管理できる機能のことです。デバイスで設定できるほか、通信事業者が提供するサービスを活用する方法もあります。
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※3 機種代金が別途かかります。

