メッシュWi-Fiで周波数(2.4GHz・5GHz)を切り替える・使い分ける方法を解説

2025.06.07

通信ノウハウ

メッシュWi-Fiで2.4GHzと5GHzの切り替え方がわからず、困っている方もいるのではないでしょうか。Wi-Fiでは、一般的に2.4GHzと5GHzの周波数帯が使用されていますが、メッシュWi-Fi機能を使用している場合、切り替えができないことがあります。

本記事では、メッシュWi-Fi使用中に2.4GHz・5GHzを切り替える方法や、周波数ごとの特徴、メリット・デメリットを紹介します。デバイスごとの2.4GHz・5GHzの切り替え方法も紹介するので参考にしてください。

記事サマリー

メッシュWi-Fiで2.4GHz・5GHzの切り替えはできる？

メッシュWi-Fiは網目状にネットワーク機器をつなぐ形態のことです。障害が発生した場合には、障害地点を迂回して通信状態を安定させるシステムをさします。メッシュWi-Fiの仕組みを利用している最中は、基本的に2.4GHzや5GHzの切り替えはできません。

周波数帯を切り替えたい場合、デバイス側で特定の周波数のみに接続する設定にするか、自動で接続する周波数を切り替えるメッシュWi-Fiの機能(バンドステアリング機能)をOFFにするなどの対応が必要です。

詳しい仕組みや各種の用語は後述するので参考にしてください。

メッシュWi-Fiを使用する際に知っておきたい基礎知識

メッシュWi-Fiの周波数帯を切り替える方法の前に、メッシュWi-Fiに関する以下の基礎知識や用語を紹介します。

そもそもメッシュWi-Fiとは
SSIDとは
バンドステアリング機能とは
周波数帯とは

知っておくと理解が深まるため、参考にしてください。

そもそもメッシュWi-Fiとは

メッシュWi-Fiとは、複数のルーターを組み合わせて、安定したWi-Fiを提供するシステムのことです。たとえば、メッシュWi-Fiを活用すると家が広く、障害物によって電波が弱まる場合でも比較的安定した通信が可能になります。

「中継器」も同じく広い範囲に電波を届ける役割がある機器です。しかし、メッシュWi-Fiと中継器は異なるので、違いを理解しておきましょう。

メッシュWi-Fiと中継器の違いは、自動的に最適な電波を送信してくれるかどうかです。メッシュWi-Fiの場合、自動的に最適な通信状態のWi-Fiルーターに接続する機能が備わっています。一方、中継器では接続するルーターを手動で切り替えなければなりません。

メッシュWi-Fiの仕組みや、メッシュWi-Fiと中継器の違いは別の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。

「メッシュWi-Fiってなに？仕組みを理解して快適な通信環境を構築しよう！」

「メッシュWi-Fiと中継器の違いは？どっちがおすすめ？基礎知識からわかりやすく解説」

SSIDとは

SSIDとは、Wi-Fi(無線LAN)ネットワークを識別するための名前です。メッシュWi-Fiでは、親機のルーターと子機のルーターでSSIDを統一します。

一般的な回線では、2.4GHzや5GHzを切り替える際に、それぞれに設定されたSSID名に接続することで周波数帯の切り替えが可能です。

一方、メッシュWi-Fiの機能を利用している場合、SSIDが統一されています。2.4GHzや5GHzが自動的に切り替えられるため、基本的に手動での切り替えはできません。

SSIDに関しては以下の記事でも紹介しています。より詳しく知りたい方は併せてご覧ください。

「SSIDとは？確認方法やセキュリティの知識をわかりやすく解説」

バンドステアリング機能とは

バンドステアリング機能とは、自動的に快適に利用できる周波数に切り替える機能をさします。2.4GHzが混雑してつながりにくい場合、5GHzに自動的に切り替えるなどして快適なネットワーク環境を保つ仕組みです。

多くのメッシュWi-Fiに備わっている機能で、メッシュWi-Fiと連動しているケースも少なくありません。2.4GHz・5GHzの切り替えを行いたい場合、バンドステアリング機能を含めたメッシュWi-Fi機能自体をOFFにすることで、切り替えが可能になります。

つまり、メッシュWi-Fiが網目状にネットワーク機器をつなぐ形態をさし、バンドステアリング機能は適切な周波数帯へ自動振り分ける機能をさします。組み合わせることで自動的に安定した通信が確保できるため、多くのメッシュWi-Fiに採用されています。

バンドステアリング機能に関しては以下の記事でも紹介しています。より詳しく知りたい方は併せてご覧ください。

「バンドステアリング機能とは？利用するメリットや設定方法、併用したい機能を紹介」

周波数帯とは

周波数帯とは、電波の周波数の範囲をさし「バンド」とも呼ばれます。Wi-Fiのほか、電子レンジやテレビ、Bluetooth®︎などに使用されています。

Wi-Fiで使用されている周波数帯は2.4GHzや5GHz、6GHzなどです。使用できる周波数帯や最大通信速度は、Wi-Fiの規格によっても異なります。

規格名	名称	最大通信速度	周波数帯
IEEE 802.11be	Wi-Fi 7	46Gbps	2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯
IEEE 802.11ax	Wi-Fi 6E	9.6Gbps	2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯
IEEE 802.11ax	Wi-Fi 6	9.6Gbps	2.4GHz帯/5GHz帯
IEEE 802.11ac	Wi-Fi 5	6.9Gbps	5GHz帯
IEEE 802.11n	Wi-Fi 4	600Mbps	2.4GHz帯/5GHz帯
IEEE 802.11g	-	54Mbps	2.4GHz帯
IEEE 802.11a	-	54Mbps	5GHz帯
IEEE 802.11b	-	11Mbps	2.4GHz帯
IEEE 802.11	-	2Mbps	2.4GHz帯

一般的に使用されている周波数帯である2.4GHzや5GHzの特徴、メリット・デメリットは以降で詳しく紹介します。

Wi-Fiの周波数帯(2.4GHz・5GHz)は切り替えによって何が変わる？

イメージ

2.4GHzと5GHzはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。

2.4GHzの特徴やメリット・デメリット
5GHzの特徴やメリット・デメリット

上記に分けて詳しく紹介します。

2.4GHzの特徴やメリット・デメリット

2.4GHzは電子レンジやBluetooth®︎機能を備えたワイヤレス機器でも使用されている普及型の周波数帯で、メリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット	デメリット
・遮蔽物や障害物に強く、広い範囲に電波が届きやすい・多くのデバイスに対応している	・電子レンジやBluetooth^®︎など同じ周波数帯の機器が多く影響を受けやすい

Wi-Fiルーターとデバイスの距離が遠い場合や、間に障害物がある場合には2.4GHzがおすすめです。ただし、間に電子レンジをはじめとする同じ周波数帯の家電があると、影響を受けて電波が不安定になる場合があるため注意しましょう。

5GHzの特徴やメリット・デメリット

5GHzはWi-Fi以外ではほとんど使用されていない周波数帯です。メリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット	デメリット
・Wi-Fi以外で使用されることが少ない周波数帯のため、ほかの家電からの影響を受けにくい・2.4GHzに比べて通信速度が速い	・対応するデバイスが少ない・障害物に弱い

安定した通信を求めるなら5GHzの使用をおすすめします。ただし、障害物に弱いため、Wi-Fiルーターとデバイスの距離を近づけたり、家具・家電のレイアウトを工夫したりして遮蔽物を少なくすることが大切です。

メッシュWi-Fiで2.4GHz・5GHzの接続設定を切り替える方法

前提として、メッシュWi-Fiで2.4GHz・5GHzを切り替える方法は、使用しているWi-Fiルーターによって異なります。

多くのWi-FiルーターではメッシュWi-Fi機能をOFFにした上で、デバイス側で2.4GHz・5GHzの切り替えを行うか、特定の周波数帯のみに接続する設定を行う必要があります。周波数帯の切り替えが可能かどうかは事前に確認しておきましょう。

切り替え可能な状態であることを前提に、以下のデバイスでの切り替え方法を紹介します。

スマホ(Android・iPhone)で2.4GHz・5GHzの接続設定を切り替える方法
パソコン(Windows・Mac)で2.4GHz・5GHzの接続設定を切り替える方法
Wi-Fiルーター本体で2.4GHz・5GHzの接続設定を切り替える方法

それぞれ詳しく紹介するので参考にしてください。

※ Apple、Appleのロゴ、iPhoneは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※TM and ©2025 Apple Inc. All rights reserved.

スマホ(Android・iPhone)で2.4GHz・5GHzの接続設定を切り替える方法

AndroidとiPhoneで周波数帯を切り替える手順は以下のとおりです。

デバイス	切り替える手順
Android	1. ホーム画面から「設定」を開く 2. 「ネットワークとインターネット」から「インターネット」を選択する 3. 接続したい周波数帯のネットワーク名(SSID)を選択する 4. パスワードが必要な場合は入力して接続する
iPhone	1. ホーム画面から「設定」を開く 2. 「Wi-Fi」を選択し「Wi-Fi」をONにする 3. 接続したい周波数帯のネットワーク名(SSID)を選択する 4. パスワードが必要な場合は入力して接続する

出典：Androidヘルプ「AndroidデバイスをWi-Fiネットワークに接続する」
出典：Apple サポート(日本)「iPhone、iPad、iPod touchでWi-Fiに接続する」

2.4GHzもしくは5GHzのSSID名は、一般的にルーターやルーターに付属するシールなどに記載されています。

デバイスの「自動接続」がONになっていると、電波状況によって自動的に2.4GHz・5GHzに切り替わるので、OFFにしてから、切り替えたい周波数のSSIDを選びましょう。

Wi-Fiの自動接続に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。

「Wi-Fiの自動接続とは？接続できないときの原因や対処法も解説」

パソコン(Windows・Mac)で2.4GHz・5GHzの接続設定を切り替える方法

WindowsとMacで周波数帯を切り替える手順は以下のとおりです。

デバイス	切り替える手順
Windows	1. タスクバーから「ネットワーク」、「サウンド」、または「バッテリー」アイコンを選択して、クイック設定を開く 2. 「Wi-Fi」クイック設定から「接続」、「Wi-Fi管理」を選択する 3. 接続したい周波数帯のネットワーク名(SSID)を選択する 4. パスワードが必要な場合は入力して接続する
Mac	1. 右上部のWi-Fiマークを選択する 2. 接続したい周波数帯のネットワーク名(SSID)を選択する 3. パスワードが必要な場合は入力して接続する

出典：Microsoftサポート「WindowsでWi-Fi ネットワークに接続する」
出典：Appleサポート(日本)「Macでインターネットに接続する」

上記はクイックメニューからWi-Fi設定画面に入る方法です。システム設定などからもWi-Fi設定画面に進むことも可能です。

Wi-Fiルーター本体で2.4GHz・5GHzの接続設定を切り替える方法

Wi-Fiルーターの設定画面から変更できる場合があります。

変更方法や設定画面の操作方法はルーターによって異なるため、使用しているルーターのメーカーのホームページや取扱説明書を参考にしてください。切り替え方法がわからない場合、サポートセンターに問い合わせるのも方法のひとつです。

快適にメッシュWi-Fiを使うなら「ドコモ光」がおすすめ

メッシュWi-Fiは安定したネットワークに接続する機能がありますが、通信速度が早くなるわけではありません。快適にインターネットを利用するなら、回線自体の通信速度にも注目しましょう。

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「メッシュWi-Fiの使い方がわからない」「周波数帯の切り替え方法がわからない」などの悩みもご相談いただけます。

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