ビームフォーミングとは?
ビームフォーミングとは、Wi-Fiをはじめとする無線通信で用いられる、アンテナで電波の方向性を制御し、効率的に受信できるようにするための技術です。
「ビームは光の束」、「フォームは形づくる」を意味する言葉です。
通常、無線通信の電波は指向性がなく、どの方向にも広がります。そのため、方向による電波の強度はほとんど変わりません。
一方、ビームフォーミングは電波の方向を変え、強度を集中させる技術です。身近な例では4G(LTE)や5G回線で活用されています。
iPhoneの場合、iPhone6からビームフォーミングに対応していますが、5Gの登場以降さらに広く使われるようになりました。
電波の方向が絞られることで、速度の向上や安定性が期待できます。具体的なメリットは後述するので、そちらも参考にしてください。
※ Apple、Appleのロゴ、iPhoneは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※ TM and ©2025 Apple Inc. All rights reserved.
ビームフォーミングの仕組み
前述したとおり、通常のアンテナの電波は広範囲に発信されています。そのため、周囲に同じ電波を利用する人がいると、電波が干渉して通信が不安定になります。
一方、ビームフォーミング技術が導入されているアンテナでは、電波を制御して集中させることにより、特定の方向にだけ電波を発信します。
電波が特定の方向に集中するため、電波の範囲は狭まりますが、周囲の電波との干渉が回避できます。懐中電灯の光でたとえると、幅広く周囲を照らしている光を絞って、一点に集中させるイメージです。
電波は波であり、複数の電波が重なりあうと電波の方向が絞られ、強度も強くなります。
ビームフォーミングを利用すると電波の速度が向上するのも同じ原理です。アンテナを複数並べることにより、電波の方向や強度を制御しています。
たとえば、5Gでは、4Gに比べて多くのアンテナの構成部品(電波の送受信ができる部品)が使用されています。4Gでは、この部品が4個程度である一方、5Gでは256個以上も使用されています。
スマホのモバイル回線やパソコンのWi-Fiでの仕組み
ビームフォーミングによって電波の方向や強度を制御できても、スマホやパソコンなどのデバイスは動き回ります。電波が発信されている範囲からデバイスが出てしまうと、電波が不安定になるのではないかと思うかもしれません。
しかし、ビームフォーミングでは、デバイスに安定して電波が届く仕組みが備わっています。
ビームフォーミングで発信された電波がデバイスに届くと、電波の発信元である親機にフィードバックされます。
モバイル回線なら親機はキャリアの基地局、Wi-Fi回線なら親機はルーターです。通信状態であれば常にフィードバックが行われ、最適な状態で電波が届くように調整されます。
光回線のビームフォーミングを利用するなら自分で設定が必要?
ビームフォーミング対応のデバイスやルーターを利用しているなら、基本的には特別な設定は不要で利用できるケースがほとんどです。
スマホのモバイル回線の場合、親機は基地局になるため、ユーザー側でON・OFFの操作はできません。一部のルーターでは、特殊なビームフォーミングを採用しており、OFFにできる場合があります。
設定の可否は、ご自身が利用しているルーターの取扱説明書やメーカーのホームページで確認してみてください。
ビームフォーミングを利用する2つのメリットを紹介
ビームフォーミングの主なメリットは以下の2つです。
- 障害物や電波干渉の影響を受けにくく通信速度が安定しやすい
- ルーターから離れていても電波が届きやすい
それぞれ詳しく紹介します。
障害物や電波干渉の影響を受けにくく通信速度が安定しやすい
従来のWi-Fiは全方向に均等に電波を飛ばすため、壁や家具などの障害物に電波が遮られやすく、通信品質が低下することも少なくありません。
一方、ビームフォーミングでは、電波を発信する親機が接続先のデバイス(子機)の位置を把握し、特定の方向に向けて強い電波を送信できます。この仕組みによって障害物による影響を受けにくくなり、安定した通信環境の確保が可能です。
周囲に多数の電波が存在する環境でも、干渉を最小限に抑えられるため、ビームフォーミングを利用すると、通信の安定性向上が期待できます。
ルーターから離れていても電波が届きやすい
一般的な電波は、電波を発信する親機から離れるほど弱くなり、接続が不安定になる傾向があります。
しかし、ビームフォーミングを搭載した基地局やルーターでは、接続しているデバイスの位置を特定し、デバイスの方向に向けて電波を集中させて届けることが可能です。
指向性のある通信によって、デバイス側は強い電波を受信できるようになります。
たとえば、広い家にビームフォーミング対応のルーターを設置した場合、ルーターからある程度離れていても、快適にWi-Fiを利用できる可能性が高まるでしょう。
ビームフォーミングを利用する際の注意点
ビームフォーミングを利用する際の注意点は以下のとおりです。
- ビームフォーミングに対応したルーターや機種が必要になる
- 環境によっては期待する効果が得られない
- 通信の安定性や速度は回線の品質に依存する
それぞれ詳しく紹介します。
ビームフォーミングに対応したルーターや機種が必要になる
ビームフォーミングを利用するためには、基本的にビームフォーミングに対応したルーターや機種が必要です。たとえば、iPhoneの場合、iPhone6からビームフォーミングに対応しています。
ビームフォーミングに似た通信技術によっても対応機種が異なるため、確認が必要です。より新しい機種が必要になるケースもあれば、メーカーによってはビームフォーミング非対応の機種でも利用できる新しいビームフォーミング技術を提供しているケースなどがあります。
※ Apple、Appleのロゴ、iPhoneは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
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環境によっては期待する効果が得られない
ビームフォーミングを利用しても、電波が届く距離には限界があります。たとえば、Wi-Fiの届く距離は50〜100m程度です。
障害物や高低差がある場合、分厚いコンクリートの壁がある場合など、利用する環境によっては期待する効果が得られない可能性があるかもしれません。環境に応じて、電波の届く距離を延ばすメッシュWi-Fiや中継器の利用も検討しましょう。
メッシュWi-Fiや中継器に関しては別の記事で詳しく紹介しています。興味がある方は併せてご覧ください。
「メッシュWi-Fiと中継器の違いは?どっちがおすすめ?基礎知識からわかりやすく解説」
通信の安定性や速度は回線の品質に依存する
ビームフォーミングを利用しても、通信の快適さは元の回線に依存します。ビームフォーミングを活用しても期待する通信速度や安定性が確保できない場合、回線の品質自体に問題がある可能性も否定できません。
たとえば、ビームフォーミングを利用すれば回線の性能を引き出せるかもしれませんが、回線の最大通信速度を上回る速度が出るわけではありません。
回線自体に問題がある場合、まず快適な通信速度や安定性が確保できる回線に乗り換える必要があります。
ビームフォーミングで快適にインターネットを利用するなら「home 5G」がおすすめ
自宅に快適なWi-Fi環境をつくるなら、5G通信対応※1の「home 5G」がおすすめです。「home 5G」はコンセントに挿すだけで利用できるホームルーターです※2。回線を利用するための開通工事は必要ありません。
「home 5G」の「HR02」は、Wi-Fi 6の無線通信を搭載している機種です※3※4。本体に4つのアンテナを4方向に配置しており、最適なアンテナ選択による5G通信が可能です。
MU-MIMOやOFDMA機能に対応しているので、家族みんなが同時に接続しても安定した通信が可能です。さらに、「home 5G」を契約すると、「ドコモのスマホ」ならご家族全員のスマホ料金から永年最大1,210円(税込)/月の割引※5になります。
対象プランをご利用の方は自宅のWi-Fiに「home 5G」を選ぶことで、毎月のスマホ料金の節約が可能です。自宅で快適にWi-Fiを利用したい方は、ぜひ「home 5G」をご検討ください。
「home 5G」の月額料金や初期費用は、以下のとおりです。
月額料金 | home 5Gプラン:5,280円(税込) |
---|---|
機種代 | 71,280円(税込) |
初期費用 | 契約事務手数料3,850円(税込) (オンラインショップは無料) |
契約期間 | 定期契約なし |
データ容量 | 無制限※6 |
購入先 | ドコモオンラインショップ ドコモショップ 量販店 |
※1 5Gの提供エリアは一部に限られます。エリアの詳細は「ドコモのホームページ」の「サービスエリアマップ」でご確認ください。なお、本サービスは4Gエリアでもご利用になれます。
※2 ご登録いただいた設置場所住所以外ではご利用いただけません。
※3 Wi-Fi 6を使うには、Wi-Fi 6対応のクライアントが必要です。
※4 HR02の場合、Wi-Fiの通信時の最大伝送速度は4804Mbpsとなります。
※5 「home 5G」契約者と同一「ファミリー割引」グループ内の「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ ポイ活 20」「ドコモ mini」の契約者は月額料金から1,210円/月を割引します。「eximo」「eximo ポイ活」「irumo(3GB/6GB/9GB)」「5Gギガホ プレミア」「5Gギガホ」「5Gギガライト(3GB超)」「ギガホ プレミア」「ギガホ」「ギガライト(3GB超)」の契約者は1,100円/月を割引します。「5Gギガライト/ギガライト(1GB超~3GB)」は550円/月を割引します。「5Gギガライト」「ギガライト」のご契約でご利用データ量が1GB以下の場合は対象外です。また「はじめてスマホプラン」「U15はじめてスマホプラン」は対象外です。同一「ファミリー割引」グループ内に「ドコモ光」「home 5G プラン」の両方が存在する場合は、「ドコモ光セット割」が適用されます。月額料金が日割り計算となる場合は、割引額も日割り計算となります。
※6 データ利用量が特に多い場合は、速度制限や通信が中断されることがあります。
ビームフォーミングを利用するなら対応デバイスとルーターを用意しよう
ビームフォーミングとは、電波の指向性を制御して安定した通信を確保する技術です。Wi-Fiでビームフォーミングを利用するためには、対応のデバイスやルーターを用意する必要があります。
ビームフォーミングの利用を検討しているなら、ぜひ5G通信対応※7の「home 5G」をご検討ください。Wi-Fi 6による通信※8で快適にWi-Fiを利用したい方におすすめです。
※7 5Gの提供エリアは一部に限られます。エリアの詳細は「ドコモのホームページ」の「サービスエリアマップ」でご確認ください。なお、本サービスは4Gエリアでもご利用になれます。
※8 Wi-Fi 6を使うには、Wi-Fi 6対応のクライアントが必要です。
※「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。

