クラウドSIMとは
通常、スマホにはSIMカードが挿入されています。通話やSMSをはじめとする通信サービスはSIMカードがあることで利用可能になります。
しかし、クラウドSIMは物理的なカードであるSIMカードを必要としません。従来であればSIMカードに保存されている情報を、クラウドサーバー内で管理する技術を利用し通信を行うため、物理的なカードが不要です。
クラウドSIMとeSIMの違いは?
クラウドSIMとeSIMはどちらも物理SIMの差し替えを不要にする技術ですが、仕組みには明確な違いがあります。
クラウドSIMはSIM情報をクラウド上で一元管理し、通信が必要なときにインターネット経由で該当のSIM情報をデバイスに割り当てます。そのため、デバイスにはSIMカードそのものが存在せず、複数回線を柔軟に切り替えられます。
一方、eSIMはあらかじめスマホなどに組み込まれた内蔵型のSIMで、プロファイルをダウンロードして利用する仕組みです。物理的な抜き差しは不要ですが、デバイスごとに通信キャリアの設定が必要になります。
両者は「SIMカードを手で挿入しなくて良い」点では共通していますが、クラウドSIMはより柔軟でグローバルな通信環境を提供するのに対し、eSIMは国内外の主要キャリアと契約して使うのが一般的です。用途や環境に応じて選ぶと良いでしょう。
eSIMに関しては、以下の記事もご覧ください。
「eSIMとは?メリット、デメリットや活用方法、利用までの流れを解説」
クラウドSIMの仕組み
クラウドSIMは、クラウド上にある「SIMバンク」で一括管理された複数のSIM情報を、必要に応じてデバイスへ割り当てる仕組みです。物理的なSIMカードをデバイスに挿すことはありません。
SIMバンクには、「ドコモ」をはじめ複数の異なる通信キャリアのSIMが保管されており、利用者の位置や通信状況に応じて最適な回線が選ばれます。
クラウドSIMでは、スマホやモバイルルーターなどの対応デバイスからの通信要求を受け、クラウド側が仮想SIMを生成してデバイスに提供します。仮想SIMを通じて、まるで物理SIMを挿入しているかのようにモバイル通信が可能です。
通信先が海外であっても、多くの国で現地キャリアに対応したSIM情報が即時に割り当てられるため、グローバルに活用できる柔軟な点が魅力です。
クラウドSIMのメリット
クラウドSIMのメリットには、主に以下のような点が挙げられます。
- 複数回線が使用可能
- 月額料金が抑えられる
- ご自身に合った容量プランを選べる
- 短期間の容量制限がない
- 海外でも同じWi-Fi機種を使用できる
それぞれ順番に解説します。
①複数回線が使用可能
通常のSIMカードではひとつのキャリア回線しか利用できませんが、クラウドSIMは「ドコモ」「au」「ソフトバンク」の3大キャリアの回線を全て利用できます。
複数の回線から最適なものを自動的に選択して接続するため、従来のモバイルWi-Fiルーターよりも対応エリアが広く、電波がつながりやすいです。
➁月額料金が抑えられる
複数の回線を利用できると聞くと、料金が高い印象を受ける方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、クラウドSIMの月額料金は、一般的に3大キャリアのプランよりもリーズナブルな場合が多いです。
データ通信量や契約期間、サービス提供会社によって月額料金は異なるため、しっかりと確認しましょう。
③ご自身に合った容量プランを選べる
クラウドSIMの仕組み自体は同じでも、サービス提供会社によって通信容量のプランはさまざまです。通信容量が少量のものもあれば、大容量のものもあります。
また、月額制なのか日額制なのかによっても異なるため、ご自身の利用スタイルに合ったものを選びましょう。
④短期間の容量制限がない
モバイルWi-Fiルーターのなかには、「3日間で10GB」のような短期間での容量制限がある製品も存在します。一方で、クラウドSIMにはそのような制限は設けられていません。
ただし、あくまでも短期間での容量制限がないだけで、月間での容量は決められています。月間の容量をオーバーしないような利用を心がけましょう。
⑤海外でも同じWi-Fi機種を使用できる
通常のSIMカードは、海外での通信に対応していないことが多いですが、クラウドSIMは日本国内だけでなく海外での利用も可能です。
クラウドSIMがあれば、海外旅行のたびに海外用のモバイルWi-Fiルーターをレンタルしたり、海外用のSIMカードを購入したりする必要がありません。
海外での利用時には、通常の月額料金に加えて海外専用料金が発生する点に注意が必要です。
クラウドSIMのデメリット
クラウドSIMのデメリットには、主に以下のような点が挙げられます。
- 完全無制限のプランはない
- 接続する回線を選べない
- 複数社で通信障害や行政指導が発生した過去がある
- 使用量が多いと厳しい速度制限がかかる可能性がある
それぞれ順番に解説します。
①完全無制限のプランはない
現在、クラウドSIMには、いわゆる「使い放題」のような完全無制限のプランはありません。プランごとに異なるものの、何らかの月間容量制限があるため、通信の使いすぎには注意が必要です。
➁接続する回線を選べない
クラウドSIMでは、接続するキャリア回線をクラウドサーバーが自動で判断します。基本的には通信速度が速い電波を優先して接続してくれますが、必ずしも最適な回線を選択してくれるとは限りません。速度の遅い回線につながってしまう場合もあります。
③複数社で通信障害や行政指導が発生した過去がある
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務やテレワークの拡大によって、クラウドSIMの利用者が増え、通信データ量が爆発的に増加しました。その結果、通信障害を起こし、行政指導を受けた事業者がありました。
なお、現在では行政指導を経て状況が改善されていますが、今後の通信データ量次第では、同様の現象が起きる可能性があることを念頭に置いておきましょう。
④使用量が多いと厳しい速度制限がかかる可能性がある
前述したように、現在は「完全無制限」のプランが存在しないクラウドSIMですが、かつては「完全無制限」のプランも存在していました。
クラウドSIMの通信データ量が爆発的に増加した結果、サービス提供会社の想定をはるかに超え、回線がパンクした経緯があります。
そのため、現在では、「使用量があまりにも多い場合は速度制限を設ける」判断に至っています。多くのデータを通信する場合は、速度制限にかかってしまう可能性を考慮しましょう。
クラウドSIMの選び方
クラウドSIMの選び方は、主に以下のとおりです。
- 月額料金
- 通信速度
- データ容量
- ルーターの性能
それぞれ順番に解説します。
月額料金
クラウドSIMを選ぶ際は、月額料金の比較が重要です。
サービスによって料金体系はさまざまで、毎月の基本料金だけでなく、本体代金の有無や分割払いの条件、データ容量に応じた価格設定など違いがあります。
なお、ご自身の利用スタイルに合ったプランを選ぶためには、単に月額料金が安いかどうかだけでなく、通信品質やサポート体制も併せて確認すると良いでしょう。
また、できるだけ総コストを抑えたい方は、複数のサービスの料金を比較し、キャンペーンなども活用して、おトクに使えるサービスを見極めることが重要です。
通信速度
クラウドSIMは、モバイルルーターや据え置き型のホームルーターなどで利用できます。
ただし、同じクラウドSIMでも使用する機器によって通信速度に差が出る点には注意してください。
たとえば、モバイルルーターはコンパクトで持ち運びに便利ですが、通信速度や安定性がホームルーターより劣る場合があります。
通信速度を比較し、ご自身の用途に合った通信性能を持つクラウドSIMを選びましょう。
データ容量
クラウドSIMのサービスは、利用できるデータ容量に上限が設けられているケースがほとんどです。たとえば、月間100GBまで利用可能なプランや、1日ごとに使える容量が決まっているプランなどがあります。
上限を超過すると通信速度が制限される場合があり、動画視聴やリモート会議などに支障が出ることもあるため、ご自身の使い方に合った容量プランを選びましょう。
ルーターの性能
クラウドSIM対応のルーターを選ぶ際は、通信速度だけでなく、連続稼働時間や同時接続台数などの性能にも注目する必要があります。
特にモバイルルーターは、バッテリー駆動時間が機種によって大きく異なるため、外出先で長時間使いたい方は連続使用時間の確認が重要です。
また、家庭やオフィスで複数台の機器を同時に接続する場合は、対応できる同時接続台数が多いほうが良いでしょう。
ご自身の利用シーンに適したルーターを選ぶことで、クラウドSIMの性能を最大限に引き出すことができます。
クラウドSIMに関するよくある質問
次項から、クラウドSIMに関するよくある質問に順番に回答します。
クラウドSIMは海外でも使える?
前述のとおり、クラウドSIMは、海外でも利用できるケースが多く、海外旅行や出張時に便利なサービスです。
クラウド上に世界各国の通信キャリアのSIM情報を保有しており、渡航先に応じて最適な現地回線に自動接続される仕組みになっています。
そのため、物理SIMの入れ替えやAPN設定などの手間が不要で、海外に到着してすぐにインターネットの接続が可能です。
1台のルーターで複数の国に対応できる製品が多く、国をまたいでの移動が多い人にとって有用です。
ただし、通信対応エリアや料金はサービスごとに異なるため、渡航前に確認しておきましょう。
クラウドSIMはレンタルできる?
クラウドSIMは購入して使うだけでなく、レンタルでの利用も可能です。サービスによって提供形式は異なりますが、多くの事業者が月額制や短期レンタルプランを用意しており、手軽に試したい方や一時的に使いたい方にも適しています。
なお、レンタルプランでは、モバイルルーター本体と通信サービスがセットになっており、デバイスが手元に届けばすぐにインターネットが使える手軽さが魅力です。引越し前のつなぎや旅行中の利用にも向いています。
ただし、契約期間の縛りや解約金の有無、データ容量の上限などはサービスごとに異なるため、事前に確認しましょう。
クラウドSIMはどんな人におすすめ?
クラウドSIMは、海外旅行や出張が多い人にとって便利な通信手段です。
現地の通信キャリア情報をクラウド上から自動で取得し、渡航先でもスムーズにインターネットへ接続できるため、SIMカードの差し替えや現地SIMの購入が不要になります。複数の国を移動する際も、1台で対応できるため、設定の手間がかからず快適です。
また、通信障害に備えて複数キャリア対応の通信手段を確保したい方にも適しています。状況に応じて最適な回線に切り替わるため、特定キャリアの障害時でも通信を維持できる可能性が高まります。
ただし、通信速度や安定性は使用するルーターに左右されるため、自宅での安定通信を重視する方には光回線やホームルーターの方が適している場合もあります。利用シーンに応じて使い分けましょう。
たっぷりインターネットを使うなら「ドコモ光」がおすすめ!

前述したように、クラウドSIMには旅行や出張で海外に行く場合、面倒な手続きなしで継続して使用できる魅力があります。
ただし、自宅メインでのインターネット利用なら、光回線がおすすめです。安定した通信環境で利用が可能で、通信容量が完全無制限のため、大容量の動画の視聴やオンラインゲームのプレイもあんしんして行えます。家族で複数デバイスの使用も可能です。
おすすめの光回線は、「ドコモ光」です。「ドコモ光」が選ばれる理由には、主に以下のような点が挙げられます。
- プロバイダを選択可能
- 提携ケーブルテレビのテレビサービス、電話サービスを利用中の場合、工事不要で切り替えが可能
- 「ドコモ光 10ギガ※1」なら最大通信速度10Gbps※2の高速インターネットを利用可能
「ドコモ光」には「ドコモ光 1ギガ」と「ドコモ光 10ギガ※1」のサービスがありますが、いずれもさまざまなプロバイダに対応しています。ご自身の好みに合わせて好きなプロバイダを選び利用できます。
また、提携ケーブルテレビのテレビサービスや電話サービスを利用中の場合は、工事不要で切り替えが可能な点もうれしいポイントです。ただし、お客さまのご利用状況によって別途工事が必要となる場合があります。
光回線では最大通信速度が1Gbps※2のものが多いですが、一部地域で提供中の「ドコモ光 10ギガ※1」では、最大通信速度10Gbps※2の高速インターネットが利用できます。高速通信環境を構築したい方には、「ドコモ光 10ギガ※1」がおすすめです。
「ドコモ光」が提供する2つのプランの詳細は、以下の表よりご確認ください。
| 月額料金 (ドコモ光1ギガ)※3 |
(マンション) タイプA・C:定期契約あり4,400円(税込)、定期契約なし5,500円(税込) タイプB:定期契約あり4,620円(税込)、定期契約なし5,720円(税込) 単独タイプ:定期契約あり4,180円(税込)、定期契約なし5,280円(税込) (戸建) タイプA・C:定期契約あり5,720円(税込)、定期契約なし7,370円(税込) タイプB:定期契約あり5,940円(税込)、定期契約なし7,590円(税込) 単独タイプ:定期契約あり5,500円(税込)、定期契約なし7,150円(税込) |
| 月額料金 (ドコモ光10ギガ)※4 |
タイプA・C:定期契約あり6,380円(税込)、定期契約なし8,030円(税込) タイプB:定期契約あり6,600円(税込)、定期契約なし8,250円(税込) 単独タイプ:定期契約あり5,940円(税込)、定期契約なし7,590円(税込) |
| 契約期間 | なし または 2年定期契約 |
| 最大通信速度※2 | ドコモ光 1ギガ:最大1Gbps ドコモ光 10ギガ※1:最大10Gbps |
| お申込み方法 | ①ご相談フォームで受付 ②ご相談(希望の曜日・時間に電話) ③お申込み完了(そのまま電話でお申込み可能) |
※1 「ドコモ光 10ギガ」の対象エリアは、一部に限られます。詳しくはこちら
※2 ベストエフォート値による最大通信速度
※3 定期契約プランは、2年間同一の「ドコモ光」契約を継続して利用することが条件となり、解約(定期契約のない料金プランへの変更含む)のお申出がない場合は自動更新となります。当該期間内での解約、定期契約のない料金プランへの変更などの場合、更新期間を除いて戸建タイプ 5,500円(税込)、マンションタイプ4,180円(税込)の解約金がかかります〈2022年6月30日以前にお申込みのお客さまの場合、戸建タイプ14,300円(税込)、マンションタイプ8,800円(税込)の解約金となります〉
※4 2年間同一の「ドコモ光」の継続利用が条件となり、当該期間内での解約、定期契約のない料金プランへの変更などの場合、更新期間を除いて5,500円(税込)の解約金がかかります。なお、「ドコモ光」とペア回線(「ドコモ光」と対になる携帯電話回線)の契約期間および更新期間はそれぞれ異なりますので、ご注意ください。
永年最大1,100円(税込)/月割引!※
・無料相談をする
※「ドコモ光」契約者と同一「ファミリー割引」グループ内の「eximo」 「eximo ポイ活」 「irumo(0.5GBを除く)」 「5Gギガホプレミア」「5Gギガホ」「5Gギガライト(1GB超)」「ギガホ プレミア」「ギガホ」「ギガライト(1GB超)」の契約者が対象です。「5Gギガライト/ギガライト(1GB超~3GB)」は550円/月を割引します。また「5Gギガライト」「ギガライト」のご契約で、ご利用データ量が1GB以下の場合は対象外となります。同一「ファミリー割引」グループ内に「ドコモ光」「home 5G プラン」の両方が存在する場合は、「ドコモ光セット割」が適用されます。月額料金が日割り計算となる場合は、割引額も日割り計算となります。
クラウドSIMの仕組みを理解し、利用すべきか判断しよう
クラウドSIMは、クラウドサーバー内で情報を管理する技術を利用しており、物理的なSIMカードなしで通信が可能です。複数回線が使用可能で、月額料金が抑えられるメリットがあります。
しかし、完全無制限のプランはなく、使用量が多いと厳しい速度制限がかかる可能性があることはデメリットとして把握しておきましょう。
クラウドSIMと光回線のいずれを選ぶかは使用環境次第ですが、自宅メインでのインターネット使用であれば、光回線がおすすめです。
通信も安定しており、データ容量が完全無制限のプランを利用すれば、大容量の動画の視聴やオンラインゲームのプレイも快適に楽しめます。
光回線を利用する場合は、「ドコモ光」がおすすめです。「ドコモ光」では、最大10Gbps※5に対応する「ドコモ光 10ギガ※6」が一部地域で利用でき、全国エリアで最大1Gbps※5の「ドコモ光 1ギガ」が利用できます。
快適な通信環境を希望する方は、ぜひ「ドコモ光」をご検討ください。
※5 ベストエフォート値による最大通信速度
※6 「ドコモ光 10ギガ」の対象エリアは、一部に限られます。詳しくはこちら
永年最大1,100円(税込)/月割引!※
・無料相談をする
※「ドコモ光」契約者と同一「ファミリー割引」グループ内の「eximo」 「eximo ポイ活」 「irumo(0.5GBを除く)」 「5Gギガホプレミア」「5Gギガホ」「5Gギガライト(1GB超)」「ギガホ プレミア」「ギガホ」「ギガライト(1GB超)」の契約者が対象です。「5Gギガライト/ギガライト(1GB超~3GB)」は550円/月を割引します。また「5Gギガライト」「ギガライト」のご契約で、ご利用データ量が1GB以下の場合は対象外となります。同一「ファミリー割引」グループ内に「ドコモ光」「home 5G プラン」の両方が存在する場合は、「ドコモ光セット割」が適用されます。月額料金が日割り計算となる場合は、割引額も日割り計算となります。
※「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。