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2023年12月20日

美容室の開業に必要なものや流れとは?開業費用や手続き、資格を解説

個人事業主

店舗開業

美容室の開業には、物件選びに資金調達、資格の取得、届け出の提出など、やるべきことがたくさんあります。それぞれの準備段階で注意すべきこともあるので、スムーズに進めるためには、最初に美容室の開業の流れやポイントを知っておくことが重要です。
ここでは、美容室の開業に必要な準備や資格、資金、手続きのほか、美容室開業の成功の秘訣について解説します。

美容室開業の流れ

美容室開業までの大まかな流れは、下記のとおりです。一部、同時進行で進める準備や前後する場合もありますが、一般的な流れについてご紹介します。

1. コンセプトの設計・事業計画書の作成

コンセプトとは、どこで、誰に、どのようなサービスを、どのように提供する美容室にするのか、具体的なイメージを描くものです。自分の強みや得意・不得意を見直し、出店したいエリアの競合店の状況も調査しながら、どのような美容室にするのかイメージを固めていきます。

コンセプトを設計する際のポイントは、今できることなどの消極的な発想ではなく、理想の未来を描くことを大切にし、その後それらを実現するためにできるだけ具体的にイメージすることです。
まずは、ビジネスでよく使用される「5W2H」である、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰に)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How much(いくらで)」「How(どのように)」をつかって考えてみましょう。
たとえば、美容室のコンセプトの設計は、次のようなものになります。

<美容室のコンセプト設計例>

  • When(いつ):11~20時
  • Where(どこで):◯◯駅周辺繁華街のビル内
  • Who(誰に):癖毛や髪のうねりに悩む女性
  • What(何を):髪の癖を魅力に変える、世界にひとつだけのヘアスタイル
  • Why(なぜ):髪の毛で悩む女性に自信を持ってもらいたい
  • How much(いくらで):客単価1万円程度
  • How(どのように):個室空間で完全予約制

事業計画書は、コンセプトの設計で描いたイメージを実現するための計画書です。開業の動機・目的や店舗のコンセプト、店舗情報、雇用計画、資金計画、収支計画などの情報をまとめたもので、金融機関から融資を受ける際に必要となります。
事業計画書は、日本政策金融公庫のテンプレートがありますので、参考にしてみてください。

日本政策金融公庫「事業計画書」については、下記のページをご覧ください。
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyou00_220401b.pdf

2. 物件選び

コンセプトに沿って出店するエリアを決め、めざす美容室の雰囲気や間取り、立地などの条件を見ながら、物件を探します。実際に自分の足で気になるエリアを回り、駅前などであれば人の流れを見て、競合店の状況をチェックした上で選ぶのがおすすめです。

3. 資金調達

開業に必要な資金は、20~30%程度が自己資金で、不足分は金融機関などから融資を受けることが一般的です。日本政策金融公庫の「2022年度新規開業実態調査」によると、開業時の資金調達額の平均は1,274万円。その内訳は、「自己資金」が平均271万円で全体の約21%、「金融機関等からの借入」が平均882万円で全体の約69%となっています。
融資の申込みをすると、基本的に事業計画書の提出を求められるので、しっかり準備しておきましょう。

美容室の開業資金の内訳は、物件取得費、内外装工事費、美容機器代、美容器具代、材料代、備品代、広告宣伝費、求人費、運転資金などです。物件取得費については、居抜き物件や自宅サロンとして開業すれば抑えられますが、居抜き物件は希望にぴったり合うものを探すのが難しく、自宅サロンは住所を公表しづらいといったデメリットがあります。

■美容室開業で利用できる補助金・助成金


美容室開業の資金調達には、下記のような国や地方自治体の助成金・補助金制度を利用できます。なお、助成金・補助金や創業支援に関する情報は、国が全国に設置した無料経営相談所「よろず支援拠点」などでも入手可能です。

・小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、常時使用する従業員5人以下の小規模事業者が申請できる公の補助金で、開業後に利用できる制度です。事業者が経営計画を策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓にかかった経費について、経費の3分の2(申込み枠によって上限50万~200万円)程度が補助されます。

・地方自治体の助成金・補助金制度

地方自治体の助成金・補助金制度には、開業を支援するための制度など、新たに事業をはじめる際に役立つものがあります。たとえば、東京都の場合、都内で創業予定・創業後5年未満の中小企業者などで一定条件を満たす人が利用できる創業助成金制度があります。

4. 内装工事

内装工事を任せる施工業者を選定し、工事を行います。このときの注意点としては、図面ができた段階で保健所や消防署に出向き、工事を進めて問題ないかを工事着工前に相談することです。工事が完成したとしても、設備基準を満たしていない場合は営業の許可が下りません。

5. スタッフ採用

店舗の内外装工事と並行して、必要に応じてスタッフを募集します。スタッフの技術や接客能力は、店舗の評判や顧客からの評価に直結します。店舗のコンセプトに合わせて、明るくコミュニケーションをとれる人や静かでも聞き上手な人などを探しましょう。

6. 設備・備品購入

美容室で使用する備品や消耗品を準備します。たとえば、施術用椅子、シャンプー台、パーマ用機器、鏡、ワゴン、ロッカー、待合室用の椅子、受付デスク、シザーやコーム、美容器具、シャンプー、カラー剤、パーマ液、タオルやクロス、ドライヤー、パソコン、冷暖房、レジなどがあります。
内装工事の段階で用意する必要があるものについては、あらかじめ施工業者に確認しておきましょう。

7. キャッシュレス決済の導入

現在はキャッシュレス決済が浸透しており、クレジットカードやQRコード(バーコード)決済に対応する店舗を選ぶお客さまも増えています。顧客満足度や会計業務効率化のためにも、ターゲット層に合わせて、キャッシュレス決済の導入を検討するといいでしょう。

8. 広告宣伝

美容室開業時の広告宣伝は、集客の重要ポイントです。特に今は、インターネットで美容室を探す人が多いため、ターゲット層を意識したWebサイトやSNSの開設は必要不可欠といえます。Webサイトはターゲットに合わせてデザインし、見る人に信頼感を持ってもらえるページを作成することをおすすめします。

また、検索したときに店舗情報が検索結果ページに掲載されるように、口コミサイトへの登録も忘れずに行うとよいでしょう。口コミサイトの登録・掲載料は、無料のものから一部有料プランがあるものまで、口コミサイトによって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
近隣への告知としては、チラシの作成・配布も効果的といえます。店舗の案内や施術内容、割引券などを掲載することが一般的です。チラシは新聞の折り込み広告から個別のポスティングまで料金設定もさまざまですが、大きな宣伝効果が期待できます。

9. 各種手続きや届け出

店舗が完成したら、保健所に美容所開設届、税務署に開業届など、提出が必要な書類を各窓口へ提出します。スタッフを雇用した場合は、社会保険の手続きなども必要です。必要な提出書類については、所轄の保健所や消防署、税務署などの各届け出先に確認をしておきましょう。
主な手続き・届け出書は、下記のとおりです。

届け出先 届け出名 対象 提出時期の目安
保健所 美容室開設届(保健所によって名称が異なる場合があります) 一般的な美容室 開業予定日の2~3週間ほど前まで
消防署 防火対象物使用開始届出書 建物や建物の一部を新たに使用しはじめる場合 使用開始の7日前まで
防火対象物工事等計画届出書 店舗の修繕、模様替え、間仕切り変更などをする場合 着手する日の7日前まで
税務署 個人事業の開廃業等届出書 個人で開業する場合(法人ではない場合) 開業日から1か月以内
※青色申告を希望する場合は、併せて「青色申告承認申請書」を提出しておくとよい
労働基準監督署 労災保険の加入手続き 従業員を雇う場合 雇用日の翌日から10日以内
公共職業安定所 雇用保険の加入手続き 雇用日の翌日から10日以内
年金事務所(日本年金機構) 社会保険の加入手続き 開業後可能な限り早く
※法人の場合は強制加入、個人(個人経営で常時5名未満の事務所)の場合は任意加入

美容室開業に必要な資格

美容室を開業するには、「美容師免許」が必要で、スタッフなど人を雇う場合には「管理美容師免許」が必要です。それぞれの資格の取得方法を確認しておきましょう。

美容師免許

美容師免許は、美容師になるために必要な国家資格です。美容師専門学校で学科・実習を修了した後、美容師試験に合格した人が申請することで取得できます。

管理美容師免許

管理美容師免許は、美容室の衛生管理責任者「管理美容師」になるための資格です。美容師である従業者が常時2人以上いる美容室では、管理美容師を置くことが義務付けられています。一人でも美容師のスタッフを雇うなら、管理美容師免許を取得しておく必要があります。開業当初は一人でも、今後スタッフを増やしたいと考えているなら、取得しておくのがおすすめです。
管理美容師の資格を取るには、3年以上の実務経験を積んだ上で、都道府県ごとに開催される講習を受ける必要があります。

美容室開業の成功の秘訣

厚生労働省の「令和3年度衛生行政報告」によると、全国の美容室の数はここ10年間右肩上がりに増え続けています。競争が激しいなか、美容室の開業を成功させるには下記のようなポイントがあります。

必要な届け出のフローをしっかりと押さえておく

美容室の開業にあたっては、届け出が必要な書類が多くあります。必要な書類は店舗によっても異なるため、どのような届け出が必要かもあらかじめ確認しておくことが大切です。
また、内装工事の着工前に保健所、消防署へ相談することは必要不可欠です。内装工事の図面ができた時点で、保健所や消防署に相談し、許可・検査の基準を満たしているかを事前に確認しておきましょう。

マーケティングはしっかり行う

美容室を営んでいるのは全員有資格者なので、競合店との差別化を図るマーケティング力が重要です。誰にどのようなサービスを、どのような形で提供する美容室なのかを明確にした上で、コンセプトに合ったエリア、サービスメニューを選びましょう。

また、美容室は同じところに通い続ける人が多いため、後発店は新規顧客を得るのが難しいという特徴があります。それだけに、集客の仕掛けが重要です。
引越しで住人の入れ替わりが多い街に出店するなどの立地戦略のほか、口コミサイトへの登録やSNSをつかった広告・宣伝活動がよく活用されます。

QRコード(バーコード)決済の導入で美容室での機会損失を防ぐ

美容室の開業を成功させるには、競合店との差別化と集客が大切です。美容室を出るときに「また来たい」と思ってもらうためにも、お客さまのニーズに合った決済方法の導入を忘れてはいけません。
そこで、近年注目が集まっている決済方法でおすすめなのが、QRコード決済です。特に、若い世代の集客をめざしたい美容室にとって、QRコード決済の導入は顧客満足度の向上につながる可能性が高いといえます。

QRコード決済を導入するなら、ドコモの「d払い」がおすすめです。d払いなら、9,000万人を超えるdポイントクラブ会員に店舗の存在をアピールでき、集客・売上アップが見込めるでしょう。
また、ドコモでは、d払い加盟店で利用できる「スーパー販促プログラム」を提供しています。「スーパー販促プログラム」をつかえば、お客さまに加盟店からのメッセージやキャンペーン情報を配信でき、集客や利用単価アップといった施策ができるようになります。美容室の開業時にQRコード決済を新たに導入する際は、ぜひドコモのd払いをご検討ください。

美容室のd払い導入事例については、下記の記事をご覧ください。

d払いの導入で、集客ロス回避などの効果を実感している美容室

  • 導入事例


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よくあるご質問

  • 美容室を開業するにはいくら必要ですか?

    日本政策金融公庫の「2022年度新規開業実態調査」によると、開業時の資金調達額の平均は1,274万円。内訳は、「自己資金」が平均271万円で全体の約21%、「金融機関等からの借入」が平均882万円で全体の約69%となっています。20~30%程度が自己資金で、不足分は金融機関などから融資を受けることが一般的です。

  • 美容院を開業するまでの流れは?

    開業までの流れは大きく9ステップあります。
    1. コンセプトの設計・事業計画書の作成
    2. 物件選び
    3. 資金調達
    4. 内装工事
    5. スタッフ採用
    6. 設備・備品購入
    7. キャッシュレス決済の導入
    8. 広告宣伝
    9. 各種手続きや届け出

  • 美容室を独立するには何が必要ですか?

    美容室を開業するには、「美容師免許」が必要で、スタッフなど人を雇う場合には「管理美容師免許」が必要です。美容師免許は、美容師になるために必要な国家資格です。美容師専門学校で学科・実習を修了した後、美容師試験に合格した人が取得できます。管理美容師免許は、美容室の衛生管理責任者「管理美容師」になるための資格です。

監修者プロフィール

坪谷亮さん

坪谷 亮

FPサテライト株式会社 取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 日本FP協会 CFP®認定者
大学時代にFPについて知り、22歳のときにCFP®を取得。
FPや金融業界の現状を知り、お客さまとの利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートしている。

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