ICカードとは、ICチップを搭載したカードのこと
ICカードとは、IC(Integrated Circuit:集積回路)チップを搭載したカードのことです。
交通系ICカードや流通系ICカードをはじめ、クレジットカードやキャッシュカード、ETCカードなど、ICチップが券面に埋め込まれているカードはICカードに該当します。
ICカードの特徴は、従来の磁気カードに比べて記録できる情報量が格段に多いことです。また、記録した情報は暗号化して保存されるため、カードの偽造や解析が難しく、セキュリティ性にも優れています。
主なICカードの種類
ICカードにはさまざまな種類があります。ここでは、主なICカードの特徴について見ていきましょう。
交通系ICカード
交通系ICカードは、日本各地の鉄道会社やバス事業者などが発行しているICカードです。あらかじめカードに現金をチャージしておき、自動改札機にタッチするだけで運賃を支払える乗車券としてつかえるほか、定期券として使用することもできます。
また、スーパーやコンビニ、自動販売機など、幅広い業種の店舗・サービスで、交通系ICカードをつかった電子マネー決済が可能です。
流通系ICカード
流通系ICカードは、スーパーやコンビニなど、流通系の会社が発行しているICカードです。交通系ICカードと同様に、事前にチャージして利用します。
流通系ICカードは、基本的にはスーパーやコンビニといった店舗での買い物で利用でき、利用金額に応じてポイントがたまることが多いです。たまったポイントは、お金の代わりとして加盟店舗での支払いに利用することができます。
ICクレジットカード
ICクレジットカードとは、ICチップを搭載したクレジットカードのことです。実店舗で利用する際は、従来の磁気ストライプ型のクレジットカードでは必要だったサインが不要になり、暗証番号を入力すれば決済が完了します。
ICキャッシュカード
ICキャッシュカードは、ICチップが搭載されたキャッシュカードのことです。銀行や信用金庫といった金融機関が発行し、ATMで預金の引き出しや預け入れ、振込などを行う際に利用します。
交通系ICカードのつかい方
ICカードのなかでも利用者の多い交通系ICカードには、さまざまなつかい方があります。改めて、交通系ICカードにはどのようなつかい方があるのか確認しておきましょう。
電車やバスに乗る際に使用
交通系ICカードは全国各地の鉄道会社やバス事業者などが発行しており、駅の窓口や券売機などで購入できます。電車やバスに乗るときは、交通系ICカードに対応する改札機などにタッチすれば、現金や切符は必要ありません。
交通系ICカードのうち、主要な10種類については全国相互利用サービスにより、全国の対象エリアで同じように利用できます。ただし、全国相互利用サービス対象外のものは、各エリア内での利用が前提となっており、原則としてエリアをまたいでの乗車はできません。
電子マネーとして買い物に利用可能
交通系ICカードは、電子マネーとしても利用可能です。対象の交通系ICカード決済に対応している店舗や自動販売機などで、現金の代わりとして支払いにつかうことができます。店舗での支払いの際にも、専用端末にカードをタッチするだけで決済が完了します。
交通系ICカードへの入金は、基本的に、あらかじめお金をチャージする「前払い(プリペイド型)」方式です。チャージできる場所は、駅の券売機やバス、コンビニなどです。また、クレジットカードを紐付けることで、チャージ残高が設定した金額を下回ったら自動的に一定金額がチャージされる「オートチャージ」を利用することもできます。いずれの場合もチャージ残高を超える利用はできません。
つかいすぎや不正利用の心配が少ないので、「キャッシュレス決済に不安がある」という人にもつかいやすいでしょう。
アプリと連携させてスマートフォン決済にも対応
交通系ICカードは、スマートフォンアプリと連携させることでスマホ決済にも対応可能です。この場合は、スマートフォンを改札や決済端末にかざすだけで、公共交通機関の利用や店頭での支払いを行うことができます。財布を持たずに、スマートフォンひとつで決済が完了するため、とても便利です。
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店舗が交通系ICカード決済を導入するメリット
続いては、実店舗が交通系ICカード決済を導入することで得られる、さまざまなメリットをご紹介します。自店舗の状況にあてはめてみて、導入を検討してみてください。
集客の拡大
交通系ICカードは、通勤や通学などで公共交通機関を利用する多くの人につかわれています。普段の電車やバスの移動でも、切符を買うより交通系ICカードで乗車する人が大半でしょう。店舗に交通系ICカード決済を導入すれば、このような交通系ICカードを日常的に利用している人たちを、新たな顧客層として取り込める可能性があります。
また、交通系ICカードは、クレジットカードを作れない、または持っていない学生や主婦層、高齢者などでも多くの利用者がいます。交通系ICカード決済を導入することで、クレジットカードを持たない層のキャッシュレス決済ニーズにも対応可能です。
レジ業務の効率化
交通系ICカード決済は、店頭の専用端末にカードをかざすだけで支払いが完了します。現金払いのように紙幣や小銭をやりとりしたり、タッチ決済未対応のクレジットカードのように暗証番号を打ち込んだりする必要はありません。わずか数秒で会計が終了するため、レジ業務が格段に効率化します。レジの混雑緩和と同時に、会計ミスの軽減や人件費の削減にもつながるでしょう。
未回収のリスクが低い
現金払いと違い、交通系ICカード決済には計算ミスはありません。店舗にとっては、釣銭の計算間違いなどによる代金未回収のリスクが極めて低い決済方法といえるでしょう。
店舗が交通系ICカード決済を導入するデメリット
交通系ICカード決済には、メリットだけではなくデメリットもあります。交通系ICカード決済の導入にあたっては、次のようなデメリットがあることも知っておきましょう。
専用端末が必要
交通系ICカードで決済を行うには、カードの情報を読み取るための専用端末が必要です。専用端末は店舗で用意しなければいけないため、初期費用として決済端末の導入代金がかかります。
なお、決済端末の種類によっては、初期費用がかからない代わりに月々の利用料がかかるものもあります。
決済手数料が発生する
交通系ICカード決済は、ほかのキャッシュレス決済と同様に決済手数料が発生します。交通系ICカード決済による売上が多くなるほど、支払わなければならない決済手数料の金額も増えるため注意しましょう。交通系ICカード決済を導入する際には、決済手数料の料率についてもきちんと確認しておくことが大切です。
高額決済に利用されにくい
交通系ICカードにチャージできる金額の上限は2万円です。クレジットカードと紐付けたオートチャージ機能を設定している場合でも、チャージできるのは残高と合わせて2万円までです。そのため、1回の会計金額が2万円を超えるような高額決済には、交通系ICカードを利用することはできません。
自店舗で扱っている商品やサービスの価格帯が高額である場合は、交通系ICカード決済の導入は向いていないかもしれません。
ICカード決済の導入方法
店舗に交通系ICカード決済を導入するには、「希望する交通系ICカードを取り扱う代理店と契約を結ぶ」「決済代行会社に依頼する」という、大きく2つの方法があります。導入したいICカード決済が限定されているなら代理店と契約、複数の決済サービスをまとめて手続きしたい場合は決済代行会社に依頼するのがいいでしょう。
ICカード決済を導入する際の流れは、下記のとおりです。
<ICカード決済導入の流れ>
1. 申込みをして加盟店審査を受ける
2. 決済端末を用意する
3. 決済端末の設定を行い、利用を開始する
交通系ICカード決済の申込みには、クレジットカード決済などの場合と同じように、加盟店審査があります。代理店との契約の場合は、希望する交通系ICカード決済サービスごとに審査を受けることが必要です。審査にかかる期間は申込み先によって異なるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
審査に通過したら、決済用の端末を用意して設定を行います。同時に、自店舗の通信環境などもしっかりと確認しておくことが大切です。決済端末の設定が完了したら、交通系ICカード決済が利用できるようになります。
交通系ICカードと併せてQRコード決済の導入も検討しよう
交通系ICカード決済は、キャッシュレス決済のひとつです。「クレジットカードは持っていないけれど、交通系ICカードは通勤や通学で日常的に利用する」という人もいるので、交通系ICカード決済を導入することで、集客の拡大につなげられる可能性があります。
また、最近では、スマートフォンアプリと交通系ICカードを連携させて利用する人も増えています。スマホ決済のニーズに対応するなら、交通系ICカードと併せて、QRコード決済の導入も検討してみてはいかがでしょうか。
店舗にQRコード決済を導入するなら、おすすめなのがd払いです。d払いは、スマートフォンのアプリをつかって行うキャッシュレス決済のこと。d払いなら、約9,000万人を超えるdポイントクラブ会員に店舗の存在をアピールでき、集客・売上アップが見込めます。
また、ドコモでは、d払い加盟店で利用できる「スーパー販促プログラム」を提供しています。「スーパー販促プログラム」をつかえば、お客さまに加盟店からのメッセージやキャンペーン情報を配信でき、集客や利用単価アップといった施策ができるようになります。新たに導入するキャッシュレス決済をどれにするか悩んでいる人は、一度ドコモのd払いをご検討してみてください。
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