MVNO とは
MVNOとは、Mobile Virtual Network Operatorの略で、日本語で「仮想移動体通信事業者」という意味です。大手キャリア(MNO)から通信回線を借りて、低料金の携帯電話サービスを提供する通信事業者を示します。
自社の通信設備を持たずに運営しているため、比較的料金を抑えたプランを実現できるのが特徴です。
MVNOと格安SIM・格安スマホ・大手キャリア(MNO)との違い
MVNOと混同されがちな言葉に、MNOや格安SIM、格安スマホがあります。
MNO(Mobile Network Operator)は、自社で回線を所有しサービスを提供する大手キャリアです。
また、格安SIMはMVNOが提供する低料金の携帯電話サービスで、「格安スマホ」は、より広い意味として使われることが多く、低価格のデバイスや、低料金の携帯電話サービス全般を示すのが一般的です。
MVNOが低料金でサービスを提供できる理由
MVNOが比較的料金を抑えてサービスを提供できるのは、主に運営コストを削減しているからです。
具体的には、自社で通信回線(インフラ)を持たず、大手キャリアから借りて通信設備の維持管理にかかる費用を削減しています。
さらに、MVNOはオンラインでの対応をメインとし実店舗の数を少なくすることで、人件費や家賃などの固定費を抑えています。
MVNOのメリット
格安SIMやMNOとの違いや特徴を理解できたら、次は以下のMVNOを利用する3つのメリットを見ていきましょう。
- 料金が安い
- 乗り換え手続きが簡単
- 現在使用中の電話番号がそのまま使える
次の章からそれぞれ詳しく解説します。
料金が安い
MVNOの魅力のひとつは、毎月の料金が比較的安いことです。
MVNOは大手キャリアと比較して、同程度のデータ通信容量であっても、リーズナブルな料金を設定していることがあります。
また、オンラインでの手続きを中心にして、運営コストをカットし、ユーザーに安価な料金プランを提供しています。
乗り換え手続きが簡単
オンラインでの手続きが中心のMVNOは、乗り換え手続きが比較的簡単に行える傾向にあります。
MVNOの多くは、Webサイトやスマホでのお申込みに対応しており、自宅にいながら手続きを進められる場合があります。
また、オンラインでのチャットやビデオ通話でのサポートを行っているMVNOもあり、手続きに不安がある場合に相談が可能です。
店舗に足を運ぶ必要がないため、乗り換えに要する時間を短縮できるのが魅力です。
現在使用中の電話番号がそのまま使える
ナンバーポータビリティ制度を利用すれば、現在使用している電話番号を引き続き使えます。
これにより、連絡先を変更する手間が省け、友人や取引先などに新しい番号を知らせる必要がありません。
また、以前は解約先でMNP予約番号を発行した後、乗り換え先で契約を結ぶという2つの手続きが必要でした。
しかし、現在は乗り換え先のみで手続きをすればナンバーポータビリティ制度を利用できます。ユーザーの負担が軽減されたこともあり、気軽に移行を検討できるのが魅力です。
MVNOを契約する際の注意点
料金の安さや手軽さが魅力ですが、MVNOを契約する前に押さえておきたい注意点として、主に以下の4つが挙げられます。
- 実店舗が少なく対面でのサポートが受けにくい
- 大手キャリア(MNO)独自のサービスが使えない
- 通信速度が低下する場合がある
- 定額の通話プランが少ない
それぞれを詳しく見ていきましょう。
実店舗が少なく対面でのサポートが受けにくい
MVNOは実店舗が少ない傾向にあるため、対面でのサポートを受けにくい場合があります。
MVNOの多くは、オンラインでの問い合わせやチャットサポートなどを主流としています。
したがって、契約手続きや利用中のトラブル発生時に、すぐに対面サポートを受けるのが難しい場合があり、問題解決に時間がかかる可能性があるでしょう。
特にスマホの操作に不慣れな方や、直接的なサポートを重視する方にとっては、不便と感じるかもしれません。
とはいえ、MVNOのなかには電話・ビデオ通話・AIによるチャットなど、オンラインでのサポート体制が整っているところもあります。
大手キャリア(MNO)独自のサービスが使えない
大手キャリア(MNO)が提供する独自サービスが利用できない場合があることも、MVNOを契約する際の注意点です。
特に、キャリアメールはMNO独自のサービスであり、一般的にMVNOに乗り換えると無償で引き継げません。
ただし、一部のMNOでは、有償でメールアドレスを引き継げるサービスを提供しています。たとえば、「ドコモ」の「ドコモメール持ち運び」サービスでは、MVNOに乗り換え後も「ドコモ」のメールが引き続き利用可能です。
通信速度が低下する場合がある
MVNOは、利用者が集中する時間帯には通信速度が低下することがあります。
たとえば、昼休みや通勤時間帯、夜間などは回線が混雑しやすい傾向にあります。
そのため、動画視聴やオンラインゲームなど、多くの通信量を消費するサービスの利用時には、速度の低下を感じるかもしれません。
ただし、メール・SNS・Webサイトの閲覧などが中心の場合は、支障をきたすほどの速度低下は感じにくいと考えられます。
定額の通話プランが少ない
通話定額プランが少ないことに注意が必要です。
頻繁に電話をかける人の場合、通話の費用がかさみ、毎月の支払額が高くなる可能性があります。
MVNOへの乗り換えを検討する際は、自身の通話頻度や時間などを考慮し、提供されているプランやオプションの内容を慎重に確認しましょう。
じぶんに合ったMVNOを選ぶための3つのチェックポイント
じぶんに合ったMVNOを選ぶためには、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。
- どのMNOの回線を使っているか
- 普段の使い方に合ったプランがあるか
- 店舗の有無・サポート体制
上記のポイントを確認することで、最適なMVNOを見つけやすくなるでしょう。
① どのMNOの回線を使っているか
MVNOを選ぶ際には、契約を検討しているMVNOが、どのMNOの回線を利用しているかをチェックする必要があります。
スマホを使う場所によって、つながりやすさや通信速度に違いが発生する恐れがあるため、普段使用するエリアで問題なく使えるか確認しましょう。
ご自身の生活圏で通信が安定している回線を選ぶと、電波がつながりにくいと感じることなくスムーズにスマホを利用できるでしょう。
なお、MVNOが利用している回線は、公式サイトに掲載されている場合があるため、確認してみてください。
② 普段の使い方に合ったプランがあるか
MVNOを選ぶ際には、普段のスマホの使い方に合ったプランを提供しているかどうかも、チェックしましょう。
使用状況に合わないプランを選ぶと、データ通信容量が不足し追加料金が発生したり、使いきれず余ったりする可能性があるため、事前の確認が大切です。
たとえば、動画視聴やゲームを頻繁に楽しむ方は、容量が豊富にある、もしくは使い放題のプランを提供しているMVNOを選ぶと良いでしょう。
Wi-Fiの使用が多い方や、SNSやWebサイトの閲覧がメインの方は、容量の少ないデータプランでも十分と考えられます。
さらに、ファミリー割引・かけ放題・データ繰り越しなど、利用スタイルに合ったオプションがあるかも事前に確認しておくのもおすすめです。
③ 店舗の有無・サポート体制
MVNOを選ぶ際には、店舗の有無やサポート体制も確認しましょう。
たとえば、近くに実店舗があるMVNOを選ぶと、比較的早く対面でのサポートが受けられ、迅速に問題が解決できる可能性があります。
そのため、スマホの扱いに不慣れな方や、スタッフの対面サポートを希望する方は、近隣に店舗があるかチェックすると良いでしょう。
また、MVNOによってサポート体制がさまざまであるため、以下の点を事前に確認するのがおすすめです。
- オンラインサポート(チャット・メール)
- 電話サポート
- WebサイトのQ&Aや解説
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MVNOについて正しく理解しよう
MVNOは、大手キャリアの回線を借りて低料金でサービスを提供する通信事業者であり、毎月支払う料金の安さや乗り換え手続きの簡便さなどが魅力です。
しかし、実店舗が少なめで対面でのサポートを受けるのが難しい場合がある点や、時間帯によって通信速度が低下する場合があるなどの注意点も存在します。
スマホの利用状況に合ったMVNOを選ぶためには、使用回線・データプラン・サポート体制などの事前の確認が大切です。
本記事を参考にMVNOに関して正しい知識を身につけ、最適な携帯電話サービスを選んでいきましょう。
※「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。