5Gの周波数帯域とは?特徴やメリット・デメリット、ミリ波とSub6の違いを解説

通信ノウハウ

スマホやモバイルWi-Fiルーターを利用する際に聞くことが多い「5G」には、大きく分けるとミリ波とSub6の2種類があります。

5Gは従来の4G/LTEに比べて一度に大量のデータ伝送が可能なため、結果として高速通信が可能です。

ただし、同じ5Gでも種類によって通信速度に大きな違いが出る場合があります。本記事では、5Gの周波数帯域の特徴を解説するので、ぜひ参考にしてください。

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記事サマリー

そもそも周波数とは?

5Gの周波数帯を理解する上で、次のような似た言葉の意味と違いを理解しておく必要があります。

5Gを理解する上で重要な単語は、次の3つです。

  • 周波数
  • 周波数帯
  • 帯域幅

これらの単語は全て似て非なる言葉です。5Gの種類を解説する前に、周波数に関する基礎知識から解説します。

周波数

「周波数」とは、1秒間に発生する波のサイクル数のことをさし、単位はHz(ヘルツ)であらわされます。

  • 1秒間に10サイクルの波がある電波:10Hz(ヘルツ)
  • 1秒間で300億サイクルの波がある電波:30GHz(ギガヘルツ)

周波数は数字が低いほどより遠くまで電波が届きやすく、その代わりに障害物の影響を受けやすくなります。

一方、数字が高いとより多くの情報を乗せて電波を送信でき、障害物にも強いという側面があります。ただし、高周波数のほうが電波の届く距離は短めです。

周波数帯

周波数にはさまざまな種類があり、無線通信を使う製品やサービスによって、どの周波数を利用するかがあらかじめ決められています。

その対応可能な周波数の範囲をあらわすのが「周波数帯」です。

たとえば、とある通信機器の対応周波数が「900MHz・1,900MHz・2,100MHz」の3種類なら、その通信機器が対応可能な周波数帯は「900MHz〜2,100MHz」とあらわされます。

帯域幅

「帯域幅」とは、周波数帯の最も高い周波数と最も低い周波数の差のことです。

たとえば、とある通信機器の周波数帯が「27.4GHz〜27.8GHz」の場合、帯域幅は0.4GHz(27.8-27.4)となります。

帯域幅が広ければ異なる周波数の電波を一度にたくさん受信可能で、それはすなわち通信速度の速さに直結します。

5Gの周波数とは

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スマホやモバイルWi-Fiルーターで耳にする機会が増えた「5G」は、主に3つの周波数が利用されています。

  • 28GHz
  • 3.7GHz
  • 4.5GHz

5Gの周波数のうち、最も高い周波数の28GHzは「ミリ波」、3.7GHz・4.5GHzの2つは「Sub6(サブシックスまたはサブロク)」と呼ばれています。

5Gで利用される周波数は、これまでの主流だった「4G」よりもカバー範囲が広く、より多くのデータを瞬時に転送でき、通信トラブルが少ない傾向にあるなど、数多くのメリットがあります。

一方、5Gの特徴である「超高速」「低遅延」「多数同時接続」の実現には、低周波数帯域から高周波数帯までの幅広い周波数帯の確保が必要不可欠です。

総務省の統計データによると、上記の理由から4Gに割り当てた周波数帯を5Gとして利用するための制度化も進んでいます。

なお、5Gには大きく分けると「パブリック5G」と「ローカル5G」の2種類があります。本章ではこれら2種類の特徴と違いを解説します。

パブリック5G

パブリック5Gは、一般的に5Gと呼ばれる通信規格のことで、「第5世代移動通信システム」と呼ばれています。

日本国内では、大手通信キャリアなどの通信事業者によって日本全国で5G基地局が展開されています。

5Gが日本全国に普及すれば、「超高速」「低遅延」「多数同時接続」といった特徴を活かし、自動運転やロボットの遠隔操作、高画質なライブ映像のリアルタイム配信などが可能となります。

ローカル5G

ローカル5Gは、一部のエリア(建物や敷地など)に限定して、通信事業者以外の企業や自治体が専用の5Gネットワークを構築する方法をさします。

たとえば、自社工場の敷地内に専用の5Gネットワークを整備し、ロボットによる自動運転や遠隔制御を行う場合などが挙げられます。

パブリック5Gの普及には日本全国の幅広いエリアへの基地局の整備が必要不可欠ですが、現在の日本ではパブリック5Gが使えるエリアは都市部に限定されています。

ローカル5Gであれば、運用のために無線局から免許を取得する手間がかかるものの、パブリック5Gのエリア外でも5Gの特徴を活かした超高速な多数同時接続が可能です。

ミリ波(28GHz)の特徴

5Gに割り当てられた周波数帯のうち、最も高い周波数(28GHz)のことを「ミリ波」と呼びます。

電波の波における1サイクルの長さがミリ単位で、超高速通信が可能になる点が最大のメリットです。

一方、ミリ単位の波長の周波数で電波が遠くまで飛びづらく、障害物に弱い点がデメリットです。

満遍なくエリアを拡大するには相当数の基地局設置が必要で、日本国内では法整備や基地局の設置に多くの時間がかかると予想されています。

また、ミリ波に対応したデバイスの数が少ない点も課題のひとつです。近年の一部のAndroidスマホはミリ波に対応する機種も登場していますが、日本でシェア数の多いiPhoneシリーズは、2023年に発売されたばかりのiPhone15シリーズもミリ波には非対応(Sub6のみ対応)です。

総務省の資料によると、日本の5G全体の国内人口カバー率は2022年時点で93.2%と高水準ですが、ミリ波(28GHz)については4キャリアともに人口カバー率が0.0%となっており、ミリ波の全国展開は遅れている状況にあります。

※ Apple、Appleのロゴ、iPhoneは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※TM and ©2023 Apple Inc. All rights reserved.

Sub6(3.7GHz/4.5GHz)の特徴

5Gに割り当てられた周波数帯のうち、3.7GHzと4.5GHzのことを「Sub6(サブシックスまたはサブロク)」と呼びます。

5Gの運用が開始される前、移動通信網に使われる主な電波の周波数帯は6GHz未満だったため、これまでと5Gの周波数を区別するために「Sub6」という名称が用いられています。

ミリ波と比較して、より遠くまで電波を飛ばせて障害物に強い高周波数帯の特性を活かせる点が最大のメリットです。

4G/LTEと近い周波数帯のため、技術的な面でエリア展開がしやすい点も大きな特徴とされています。

一方、帯域は100MHzと非常に少なく、ミリ波に比べて通信速度が出ない点がデメリットです。

4G/LTEと比べればSub6のほうが通信速度は速いですが、低周波数帯のミリ波と比べた場合はやや速度が低下する傾向にあると覚えておきましょう。

4G周波数帯を転用した5Gの特徴

先述のとおり、5G基地局の敷設に時間がかかることもあり、近年では従来の4G/LTEに用いられていた周波数帯を5Gに利用するための制度が整備されています。

既存の基地局や設備を流用するケースが多く、新たに5G基地局を設置するよりも早く日本全国への5G展開が可能です。

ミリ波やSub6に比べて通信速度は控えめなものの、4G/LTEと比べれば通信速度は速いことが特徴です。

また、複数の帯域を束ねて通信速度の高速化を図る「キャリアアグリゲーション」と呼ばれる技術の導入も進められています。

5Gで快適なデータ通信を利用するなら「ドコモ」の「home 5G」がおすすめ

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ここまで、5Gに用いられる周波数帯や5Gの特徴について解説してきました。

「超高速」「低遅延」「多数同時接続」といった大きなメリットがある一方、5Gが利用できるのは都市部に限定されており、なかにはサービスエリア内でも未だ4Gしか掴めない方もいらっしゃることでしょう。

5Gで快適なデータ通信を利用したいと考えている方には、「ドコモ」の「home 5G」がおすすめです。

「ドコモ」の「home 5G」は自宅のコンセントに挿すだけで5Gが使えるホームルーターです※1。5Gの高速データ通信を無制限で利用可能で、パソコンやスマホ、ゲーム機などの複数台同時接続にも対応しています※2。

光回線のような開通工事が不要で、商品の到着後はコンセントにケーブルを挿すだけで、すぐにインターネットを利用できるようになる手軽さもメリットです※3。

自宅を5G高速通信対応のインターネット環境に整えたいと考えている方は、これを機に「ドコモ」の「home 5G」をぜひご検討ください。

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※1 5Gの提供エリアは一部に限られます。エリアの詳細は「ドコモのホームページ」の「サービスエリアマップ」でご確認ください。なお、本サービスは4Gエリアでもご利用になれます。
※2データ利用量が特に多い場合は、速度制限や通信が中断されることがあります。
※3ご登録いただいた住所以外ではお使いになれません。

5Gの周波数にはミリ波(28GHz)とSub6(3.7GHz/4.5GHz)の2種類がある

5Gの周波数には、大きく分けて2つの種類があります。

ミリ波(28GHz)は1サイクルの波長がミリ単位で超高速通信が可能です。反面、電波の届く距離が短めで障害物に弱い欠点があります。

一方、Sub6(3.7GHz・4.5GHz)はミリ波に比べて速度はやや劣りますが、より遠くまで電波を飛ばせて障害物に強い点が特徴です。

これらの特性を理解して自宅のインターネット環境の構築に役立ててみてください。

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※「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。

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