L2スイッチとは
L2スイッチとは、「開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection)」、いわゆる「OSI参照モデル」における、第2層「データリンク層」に対応するスイッチです。OSI参照モデルについて詳しくは後述します。
L2スイッチは、同じネットワーク内にある全ての機器・デバイスに接続しており、MACアドレスを用いて通信が行われます。MACアドレスとは、ネットワーク機器それぞれに与えられた個別の番号です。
L2スイッチでデータ転送が行えるのは同一ネットワーク内だけであり、異なるネットワーク間でのデータ転送は行えません。
L3スイッチとは
L3スイッチとは、「OSI参照モデル」における第3層「ネットワーク層」に対応するスイッチです。L3スイッチは、複数のL2スイッチとつながることで、別のネットワーク同士をつなぐ役割を担っています。
L3スイッチでは、IPアドレスを用いて通信が行われます。IPアドレスとは、インターネットに接続するときにデバイスに割り振られる識別番号で、「インターネット上の住所」のようなものです。
L2スイッチとL3スイッチの違い
L2スイッチとL3スイッチは、どちらもデータ通信で重要な役割を担っています。L2スイッチとL3スイッチの違いは、以下のとおりです。
L2スイッチ | L3スイッチ | |
OSI参照モデルの階層 | データリンク層(第2層) | ネットワーク層(第3層) |
担っている役割 | 同一ネットワーク内のデータ通信 | 異なるネットワーク間のデータ通信 |
データ転送制御の方法 | MACアドレステーブル | ルーティングテーブル |
それぞれの違いを、詳しく解説します。
OSI参照モデルの階層
OSI参照モデルとは、コンピュータの通信機能を7階層の構造に分割して定義したモデルです。1~7の層の名称は、以下のとおりです。
- 1層:物理層
- 2層:データリンク層
- 3層:ネットワーク層
- 4層:トランスポート層
- 5層:セッション層
- 6層:プレゼンテーション層
- 7層:アプリケーション層
L2スイッチは第2層の「データリンク層」に、L3スイッチは第3層の「ネットワーク層」に対応したスイッチです。
担っている役割
L2とL3スイッチはどちらもデータを通信する役割を担いますが、その範囲は異なります。すでに紹介したとおり、L2が同一ネットワーク内でのデータ通信を担っているのに対して、L3は異なるネットワーク間でのデータ通信を担っています。
L2スイッチのなかには、「VLAN機能」と呼ばれる機能を備えたものがあります。VLAN機能はネットワークを分割する機能で、1台のL2スイッチを仮想的に複数に分けることが可能です。
この場合、分割するのはあくまでも仮想的な形ですが、システム上別のネットワークになっているため、L2スイッチだけではネットワーク間の通信は行えません。
そのため、L2スイッチのVLAN機能で作られた、複数のネットワークの通信を行うためには、L3スイッチが必要になる点に注意しておきましょう。
データ伝送制御の方法
L2スイッチは、MACアドレスをMACアドレステーブルで記憶することで、データの伝送先を認識しています。
MACアドレスとは、パソコンやルーターなど、インターネットに接続できる全ての機器を識別するために、0から9の数字、およびAからFまでの12個の文字で割り当てられた識別番号のことです。
送信元からパケット(分割されたデータ)がL2スイッチに到達した際、宛先となるMACアドレスがMACアドレステーブルに載っているかどうか確認されます。
載っていれば、該当するインターフェースにのみパケットが送られ、載っていなければ送信元のインターフェースを除く全てのインターフェースに、パケットが送られる仕組みです。
一方L3スイッチは、ルーティングテーブルでのIPアドレスの管理によって、データの伝送先を認識しています。
なお、ルーティングとは、複数のネットワークに接続した状態で宛先に応じてデータを送信することです。
あるIPアドレスから特定のIPアドレスにデータを転送する場合、そのIPアドレスが同一ネットワーク上に存在しなければ、パケットはL3スイッチに送られます。
その後、自身のルーティングテーブルを参照して、宛先のIPアドレスがL3スイッチで直接伝送できるネットワークに存在していれば、該当のIPアドレスにパケットを送信する仕組みです。
ルーターとL3スイッチの違い
L3スイッチは、「複数の異なるネットワーク間の通信を行う機器」ですが、この説明だけではルーターも該当するため、L3スイッチとルーターの区別が付かなくなります。
ルーターとL3スイッチの違いを、以下に表にまとめました。
ルーター | L3スイッチ | |
通信の処理を主に行う主体 | ソフトウェア | ハードウェア |
対応プロトコル | マルチプロトコル | TCP/IPのみ |
処理速度 | 低速~中速 | 高速 |
利用されるネットワークの規模 | 小~中規模向け | 中~大規模向け |
機能性 | 機能の追加が容易 | 比較的少ない |
それぞれの違いを理解した上で、特徴を活かせるように使い分けることを意識しましょう。
スイッチを選ぶ際のポイント
L2スイッチとL3スイッチは、種類が豊富で機能もそれぞれ異なります。L2スイッチ、L3スイッチを選ぶ際の比較ポイントは、主に以下のとおりです。
- パケット転送能力
- スイッチング容量
- 最大VLAN数
- 保存できるMACアドレス数
それぞれのポイントを、詳しく説明します。
パケット転送能力
パケット転送能力は、1秒間に転送できるパケット数を表すもので、フォワーディングレートやスループットなどとも呼ばれます。大きければ大きいほど短時間で多くのデータを転送できるので、快適なデータ通信のためには欠かせないポイントです。
スイッチング容量
スイッチング容量は、スイッチ内部で1秒間に処理できるデータ量を表します。
パケット転送能力が高いと多くのデータを転送できますが、スイッチング容量がパケット転送能力に追いついていないと、スイッチ内部でデータの転送速度が遅くなり、データがどんどん溜まってしまうため、パケット転送能力とスイッチング容量のバランスが重要です。
最大VLAN数
VLAN数が多いほうが、より多くのVLANを設定できます。企業でネットワークを構築する際、部署の数が多くネットワークを複数に分割したい場合は、VLAN数が大きいスイッチを選びましょう。
保存できるMACアドレス数
L2スイッチは、各ポートに接続された機器のMACアドレスを保存しています。
保存されたMACアドレスは一定時間で書き換えられ、常にネットワークの最新の状況を把握できるようになっています。保存できるMACアドレス数が多いほど、効率的なデータ転送が可能です。
快適な通信環境の構築には「ドコモ光」がおすすめ
L2やL3スイッチの性能は、デバイスで快適にインターネット接続するために、重要なポイントです。ただ、インターネットを快適に利用するためには、光回線自体の性能も重要です。
快適な通信環境を構築するために、利用する光回線でお悩みの方は、「ドコモ光」を検討してみてはいかかでしょうか。「ドコモ光」のメリットは、主に以下のとおりです。
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- プロバイダが選べる
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なお、IPv6通信を利用する場合は、使用しているパソコンなどのデバイスがIPv6アドレスに対応している必要があります。
IPoE方式のIPv6インターネット接続を利用すると、IPv6に対応したサービス(Webサイトの閲覧や動画配信サービスの視聴など)を快適に利用しやすくなるでしょう。
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L2スイッチとL3スイッチの違いについて正しく理解しよう
L2スイッチおよびL3スイッチは、どちらも快適にインターネットに接続するために重要な役割を担っています。インターネット接続のために必要な機器は多く、特にルーターとL3スイッチは役割が似ています。
そのため、それぞれ混同してしまいがちですが、違いをきちんと区別しておきましょう。
快適にインターネットを利用するためには、スイッチやルーターの性能だけでなく、光回線の性能も意識する必要があります。利用する光回線でお悩みの方は、「ドコモ光」がおすすめです。
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※「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。