Wi-Fiの規格の歴史
Wi-Fiは「IEEE 802.11」という規格によって、周波数や通信速度が定められています。
IEEE 802.11の歴史は深く、さまざまな種類がありますが、はじめに普及した規格は「IEEE 802.11b(以下、11b)」です。
11bの最大通信速度は11Mbps、周波数は2.4GHzであり、通信速度は速くないものの、スマホや家電などに幅広く対応しています。屋内・屋外問わずに利用できる利便性の高さも特徴です。
また同時期に「IEEE 802.11a(以下、11a)」も登場しました。11aの最大通信速度は54Mbps、周波数は5GHzです。
通信は速いですが対応した機器が少なく、なおかつ電波法により屋内でしか利用できませんでした。現在は、条件付きではあるものの屋外でも11aを利用できます。
そして両者の特徴を取り入れたのが、2003年に登場した「IEEE 802.11g(以下、11g)」です。周波数が2.4GHzでありながら、最大通信速度は54Mbpsを発揮します。
さらに2009年に、これまでに登場してきたIEEE 802.11と比べて、最も進化を遂げた規格「IEEE 802.11n(11n)」が登場しました。周波数が2.4GHzと5GHzに対応しており、最大通信速度は600Mbpsです。
2023年8月時点では、最大通信速度が9.6Gbpsの「IEEE 802.11ax」が最新の規格となっています。
なお、周波数帯を意味する「5GHz」は、近年よく聞く「5G」とは全く別のものです。5Gについて詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひあわせて読んでみてください。
2.4GHzと5GHzの違いや特徴
Wi-Fiの周波数帯について、2.4GHzと5GHzのどちらを使うかを判断するには、それぞれの特徴を知る必要があります。2.4GHzと5GHzの違いや主な特徴について、以下の表にまとめました。
周波数帯 | 良い点 | 注意点 |
2.4GHz | ・Wi-Fiルーターから離れていても電波が届く ・壁や扉といった障害物の影響を受けづらい ・Wi-Fi機能が備わったデバイスは、基本的に2.4GHzを使える | ・電波干渉が発生しやすく、通信速度が安定しづらい ・通信速度が5GHzよりも遅い |
5GHz | ・通信速度が速い ・電波干渉が起こりづらい | ・障害物に電波が遮られやすい ・通信範囲が狭い |
2.4GHzは、Wi-Fiが誕生した当初に導入された通信規格のため、Wi-Fiに対応した機器のほとんどが2.4GHzに対応しています。その反面、同じ周波数の機器が衝突して通信障害を起こす、いわゆる「電波干渉」が発生しやすい傾向にあります。
一方の5Ghzは、対応した機器が2.4GHzよりも少ないため、電波干渉が発生しづらいです。加えて、2.4GHzと比べて、5GHzの通信速度は速い傾向にあります。
つまり2.4GHzと5Ghzは、短所をカバーし合っています。そのため、両者を切り替えて利用することで、より快適なWi-Fi環境を実現できるでしょう。
2.4GHzと5GHzどちらを使うべきなのか
2.4GHzと5GHzの両方を利用できる環境にいる場合、基本的には5GHzを利用すると良いでしょう。その理由は、5GHzのほうが安定しており、通信速度が速いためです。
しかし、これはあくまで理論上の話であり、厳密には状況に応じて2.4GHzと5GHzを使い分けるのが好ましいです。
- 広い場所や壁を挟んで通信するなら「2.4GHz」がおすすめ
- 狭い場所や障害物がないところでの利用は「5GHz」がおすすめ
それぞれ以下で解説します。
広い場所や壁を挟んで通信するなら「2.4GHz」がおすすめ
前述のとおり、2.4GHzは電波が届く距離が長く、壁をはじめとする障害物の影響を受けづらい特徴があります。そのため、広い場所や障害物がある環境で通信を行うなら、2.4GHzの利用がおすすめです。
ただし、電子レンジやほかの通信機器を利用している場合は、電波干渉の影響で通信速度が遅くなる可能性があります。電波干渉の起因になるものがなく、広い場所で通信するなら2.4GHzの利用が向いていると覚えておきましょう。
狭い場所や障害物がないところでの利用は「5GHz」がおすすめ
通信速度は速いものの通信範囲が狭く、障害物の影響を受けやすいという5GHzの特徴を考慮すると、狭い場所や障害物がない環境では5GHzの利用が適しているといえます。
5GHzで通信速度を発揮するには、ルーターの近く、なおかつ障害物のない場所で通信を行いましょう。
なお、もし自身の環境でどちらを利用したほうが良いか判断ができない場合は、2.4GHzと5GHzのそれぞれに接続してみてください。その上で通信速度が速い周波数帯を利用することをおすすめします。
通信速度を測定する際には、Googleの検索窓で「通信速度テスト」と調べる方法が便利です。検索後に表示される「速度テストを実行」のボタンをクリックすると、通信速度が測定できます。
2.4GHzと5GHzの確認方法
自身が使っているルーターの周波数帯を確認するには、ルーターの底面や取扱説明書をチェックしましょう。
底面などに「SSID」が2つ記載されていれば、2.4GHzと5GHzに対応したルーターを使っている可能性があります。SSIDとは、アクセスポイント(ルーター)を特定するためのコードです。
記載が見つからず周波数を確認できない場合は、ルーターの契約元に問い合わることをおすすめします。
2.4GHzと5GHzは同時に利用できる?
2.4GHzと5GHzは、1つのデバイスに同時接続はできません。
ただし、それぞれの周波数を同時発信できるルーターであれば、複数のデバイスで異なる周波数帯を同時に利用できます。
たとえば、2.4GHzと5GHzを同時発信するひとつのルーターを使い、Aのデバイスは2.4GHzにつなぎ、Bのデバイスは5GHzにつなぐといったことが可能です。
こうした使い方はできるものの、デバイス側は1つの周波数にしか接続できないことを覚えておきましょう。
2.4GHzと5GHzの切り替え方
2.4GHzと5GHzに対応するルーターを利用している場合、Wi-Fi接続時にアクセスポイントが2つ表示されます。どの周波数帯かを確認するには、アクセスポイントの末尾を確認しましょう。
たとえば「ドコモ光」の場合、末尾が「ac、a」であれば5GHz、「n、b、g」であれば2.4GHzとなります。
なお、「ac、a」や「n、b、g」などの表記は、契約先の光回線やルーターによって異なります。ルーターの底面・側面、取扱説明書に周波数帯ごとのアクセスポイントが記載されていることもあるため、必要に応じて確認しましょう。
判断が難しい場合、または切り替え方がわからない場合などは、契約先に問い合わせるのが賢明です。
2.4GHzと5GHzに対応した「home 5G」もおすすめ
最近のWi-Fiは、2.4GHzと5GHz、いずれの周波数帯にも対応しているものが多いです。
しかし、契約している回線の通信速度が遅いと、たとえ5GHzで接続しても満足できる通信速度は出ない可能性があります。そこでおすすめなのは、「ドコモ」が提供するホームルーター「home 5G」です。
「home 5G」は、2.4GHzと5GHzの周波数に対応しており、5G高速通信による良好な通信が可能です。
加えて、自宅のコンセントに挿すだけで利用できるため、開通工事は必要ありません。工事不要で手軽に利用できるところも「home 5G」の魅力だといえるでしょう。
「ドコモ」の5G対応ホームルーター(HR02)※1は、最大受信速度4.2Gbps(ベストエフォート形式)※2 ※3、5G高速通信対応 ※4です。
月額料金 | home 5Gプラン:4,950円(税込) |
機種代 | 71,280円(税込) |
初期費用 | 契約事務手数料3,850円(税込) (オンラインショップは無料) |
契約期間 | 定期契約なし |
データ容量 | 無制限※5 |
購入先 | ドコモオンラインショップ ドコモショップ 量販店 |
※1 ご登録いただいた住所以外ではお使いになれません。
※2 通信速度は、送受信時の技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。ベストエフォート形式のため、お客さまの通信環境により実際の通信速度は変化します。
※3 LANケーブル接続時は受信時最大2.5Gbps、Wi-Fi接続時は受信時最大で4.8Gbps(いずれも技術規格上の最大値)。機器接続時の通信速度は、お客さまの通信環境と接続機器の規格により異なります。
※4 5Gの提供エリアは一部に限られます。エリアの詳細は「ドコモのホームページ」の「サービスエリアマップ」でご確認ください。なお、本サービスは4Gエリアでもご利用になれます。
※5 データ利用量が特に多い場合は、速度制限や通信が中断されることがあります。
※「home 5G」契約者と同一「ファミリー割引」グループ内の「eximo」 「eximo ポイ活」 「irumo(0.5GBを除く)」 「5Gギガホプレミア」「5Gギガホ」「5Gギガライト(1GB超)」「ギガホ プレミア」「ギガホ」「ギガライト(1GB超)」の契約者が対象です。「5Gギガライト/ギガライト(1GB超~3GB)」は550円/月を割引します。また「5Gギガライト」「ギガライト」のご契約で、ご利用データ量が1GB以下の場合は対象外となります。同一「ファミリー割引」グループ内に「ドコモ光」「home 5G プラン」の両方が存在する場合は、「ドコモ光セット割」が適用されます。また、「ドコモ光ミニ」「home 5G プラン」の両方が存在する場合は、「home 5G セット割」が適用されます。月額料金が日割り計算となる場合は、割引額も日割り計算となります。
2.4GHzと5GHzは切り分けて利用しよう
2.4GHzと5GHzは、一長一短です。2.4GHzは広範囲に電波が届きますが、通信速度が速くありません。5GHzは電波が届く距離は短いですが、通信速度が速いです。そのため、周波数は状況に応じて切り分けて利用しましょう。
しかし、そもそもルーターの通信速度が遅いと、たとえ5GHzでも満足できるインターネット環境は構築しづらくなります。
そこでおすすめなのは「ドコモ」が提供するホームルーター「home 5G」です。5G高速通信が行え、なおかつ2.4GHzと5GHzの周波数に対応しているため、いずれの周波数でもパフォーマンスを発揮しやすくなっています。
快適なインターネット環境を求める方は、ぜひ「home 5G」をご検討ください。
※「home 5G」契約者と同一「ファミリー割引」グループ内の「eximo」 「eximo ポイ活」 「irumo(0.5GBを除く)」 「5Gギガホプレミア」「5Gギガホ」「5Gギガライト(1GB超)」「ギガホ プレミア」「ギガホ」「ギガライト(1GB超)」の契約者が対象です。「5Gギガライト/ギガライト(1GB超~3GB)」は550円/月を割引します。また「5Gギガライト」「ギガライト」のご契約で、ご利用データ量が1GB以下の場合は対象外となります。同一「ファミリー割引」グループ内に「ドコモ光」「home 5G プラン」の両方が存在する場合は、「ドコモ光セット割」が適用されます。また、「ドコモ光ミニ」「home 5G プラン」の両方が存在する場合は、「home 5G セット割」が適用されます。月額料金が日割り計算となる場合は、割引額も日割り計算となります。
※「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。

